知っているようで知らない「ブラジル」。劇的に変化し続ける
21世紀ブラジルの動静を政治・経済・外交・社会面から多角的に探る書。
「この国はどこに向かっているのか」――新興国の雄に躍り出た21世紀初めの10年と、政治・経済の混乱が顕著となったその後の10年。
相反する「二つのブラジル」の実情を様々な角度から探るとともに、独立200周年(2022年)の先に見据えるグローバル・アクターとしてのブラジルの姿を展望します。2019年1月就任のボルソナーロ新大統領とその内閣に関する情報までを盛り込んだ、ブラジルの「今」がわかる本です。
目次
第Ⅰ部 今を読み解く
第1章 政 治
1 民主化後最悪の政治危機に/2 政治環境を劣化させた汚職事件/3 安定回復となるか、2018年選挙の“みそぎ”
第2章 経済・ビジネス
1 好景気からの転落、回復への道のり/2 ブラジル経済、成長の方程式/3 テメル政権下の軌道修正
第3章 国際関係
1 危機下で挑んだメガ・イベント/2 「グローバル・アクター」からの後退/3 テメル外交の方向性/4 日伯関係のテコ入れと挑戦
第Ⅱ部 民主化後の制度設計
第4章 政 治
1 88年憲法体制と国民の政治参加/2 政治制度とガバナンス/3 治安、安全保障と情報社会の進展
第5章 経済・ビジネス
1 新自由主義下の制度改革/2 安定成長のための基盤づくり/3 競争力強化に向けた産業・企業の挑戦
第6章 国際関係
1 外交を巡る環境の変化/2 21世紀ブラジルのグローバル外交/3 外交のリソース(資源)
第Ⅲ部 歴史・地誌・人と社会
第7章 歴 史
1 ブラジルの「発見」から共和制まで/2 「ヴァルガス革命」から軍事クーデターまで/3 軍事政権時代
第8章 地 誌
1 広大な国土と豊かな自然/2 多彩な産業の形成/3 広さの壁に挑む国土開発
第9章 人と社会
1 カラフルなブラジル社会/2 男性主役の世界に大きな変化/3 歪(ひず)み温存の社会
第Ⅳ部 独立200周年(2022年)に向けて
1 国民の自信を取り戻せるか?/2 中所得国からのステップアップ/3 現実主義的な中庸外交がカギに
編著者プロフィール
堀坂浩太郎(ほりさか・こうたろう) 上智大学名誉教授
子安 昭子(こやす・あきこ) 上智大学外国語学部教授
竹下幸治郎(たけした・こうじろう) 拓殖大学国際学部准教授、上智大学非常勤講師