“世界の境界への新たな認識”をうながす視座
国境(国民国家)を中心に過去を描いてきた歴史観に対し、国境を越え複数の国民国家・地域を包括したグローバルな規模での人・モノの存在、現象を主題とした歴史学アプローチである、「グローバル・ヒストリー」。
◇グローバル化時代における歴史学の多様なアプローチを提示!
◇国内外の歴史学の最新動向を捉えた研究をわかりやすく紹介する入門書。
◇テーマをより身近に理解できるよう、コラム、ディスカッション・クエスチョン、参考文献の紹介などを随所に盛り込み、大学や生涯教育(一般教養)の教科書としても活用できるように工夫。
◇また各章に地図を挿入し、視覚を通して国境や越境現象について考察する。
目次
第1部 国民国家のフィクショナリティ
第一章 国民国家の概念と実相―スペイン史を事例として
コラム ドン・キホーテの「おしゃべり」は何語で?
第二章 フランス共和国の創造とネイションの境界
第三章 ドイツのベトナム移民 ―分断国家の再統一がもたらしたもの、祖国と移住国にて
コラム 『グッバイ、レーニン!』
第四章 エジプト・西部砂漠(リビア砂漠)の村からグローバル・イシュー「水」を考える
第2部 脱西欧のグローバル・ヒストリー
第五章 なぜワインはヨーロッパなのか?―グローバル・ヒストリーの可能性を考える
第六章 「アフリカンプリント」物語―布と衣とファッションのグローバル・ヒストリー
コラム ウサギどんの足跡を追って
第七章 交錯する二つのグローバル・ヒストリー―ハワイ島コナにやって来たコーヒーと日系移民
コラム 宇宙に行ったコナ・コーヒー
第八章 東アジアのアメリカ女性宣教師とグローバル・ヒストリー
第3部 マクロな視座からのグローバル・ヒストリー
第九章 ジェンダーからみるグローバル・ヒストリー ―女子教育とジャンヌ=ダルクの「普遍化」から
コラム 映画にみるジャンヌ・ダルク
第十章 黒人たちが織りなすもう一つのアトランティック・ヒストリー
第十一章 環境史から問い直す北米での「遭遇」
コラム 映画表象における二つの「遭遇」
エピローグ 大学キャンパスのハラール・フード