児童虐待は多くの国を悩ませる問題であり、日本でも虐待の早期発見、児童保護の措置を強化するため、
児童福祉法、児童虐待防止法の改正が頻繁に行われてきました。
本書は、「児童虐待防止法研究会」のメンバーが訪問し研究した、諸外国の取組みを紹介し、日本における児童虐待問題の理解と解決のための観点を提示するものです。
研究者のみならず、児童保護を実際に担当する現場の関係者、行政関係者等にも参考となる一冊です。
目次
はしがき
1 児童虐待防止法の展開 /柑本美和
2 アメリカ合衆国―児童の保護とケア、家庭再統合
?1 アメリカ合衆国における児童虐待防止システム /柑本美和
?2 被虐待児の治療とケア―アメリカ合衆国の取り組み /本間玲子
?3 保護命令・親子分離とプログラム受講―アメリカ合衆国の実践 /柑本美和
?4 サンフランシスコ郡・市における児童虐待への対応 /柑本美和
3 イギリス―虐待防止システム、虐待死事件の調査、刑事規制の強化
?1 イギリスにおける児童虐待防止システム /橋爪幸代
?2 イギリスの児童虐待に対する刑事的対応―特に警察の対応について /柑本美和
4 ?オーストラリア・ビクトリア州―脱施設化による社会的養護の展開 /渡邊守
5 フランス
?1 フランスにおける児童虐待防止システム /水留正流
?2 フランスにおける親子と児童虐待 /西希代子
6 韓国、台湾
?1 韓国における児童虐待防止システム/横内豪
?2?韓国における被虐待児の治療とケア/李好均
資料 韓国法令(抄訳)/李好均・横内豪 訳
?3 台湾における児童虐待の実態と法的対応/李茂生
編著者一覧
索引
編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
【編者】
・町野朔(上智大学生命倫理研究所教授 専門:刑法、医事法、環境法、生命倫理と法)
・岩瀬徹(上智大学法科大学院教授 専門:刑事手続法)
・柑本美和(東海大学大学院実務法学研究科准教授 専門:刑事政策、刑法)
【執筆者】
・本間玲子(カリフォルニア臨床心理大学院研究科長・教授 専門:臨床心理)
・橋爪幸代(東京経済大学現代法学部准教授 専門:社会保障法)
・渡邊守(NPO法人キーアセット ディレクター 専門:家庭養護、社会的養護、ソーシャルワーク)
・水留正流(南山大学法学部講師 専門:刑法、精神医療と法)
・西希代子(上智大学法学部准教授 専門:民法)
・横内豪(上智大学客員研究員 専門:刑法)
・?好均(イ・ホキュン グッドネーバーズ 特別顧問、前中央児童保護専門機関長
専門:児童福祉政策、NGO論)
・李茂生(リ・マオスン 国立台湾大学法学部及び法学研究科教授
専門:刑法、少年法、監獄法、刑事政策、犯罪学)