小さな民のグローバル学

――共生の思想と実践をもとめて
編著者名
SUP上智大学出版/発行 (株)ぎょうせい/発売
甲斐田万智子 佐竹眞明 長津一史 幡谷則子/ 共編著
判型
A5
商品形態
単行本
雑誌コード
図書コード
5300240-00-000
ISBNコード
978-4-324-09944-5
発行年月
2016/01
販売価格
2,700 円(税込み)

内容

「小さな民」とは――

東南アジア地域研究を専門とした社会経済学者、村井吉敬氏が提唱した概念で、権力やお金がなくても、伝統的な自分たちの生活やそれをとりまく自然に誇りをもって生きる人々をさす。
本書の中では、インドネシア・バリ島の観光施設で働く人々、ジャワ島で生薬飲料(ジャムー)を売る行商、中国から他国に移住する朝鮮族の家族、タイ南西部で国籍を持たずに海上で移動生活を営むモーケン人、等々を取り上げる。

かれらは、強大な権力と市場(資本主義経済)によって生活圏を歪められ、権力側からの差別を受けながらも、現実に立ち向かい、日々の生活をたくましく生きている。そのような生活や市民運動から、人々のつながり、生き方、モノの流れ、世界のあり方を考察する。

「小さな民のグローバルなつながり」から、“多文化共生の時代”を生きるヒントを示唆する論考集。

「フェアトレード」や「少女に対する暴力(女性割礼等の伝統的慣習)」、「人間の安全保障」など、社会的問題も取り上げる。

目次


第1部 小さな民の生き様――民衆生業と移住
 第1章 観光という日常 ――バリ島の小さなホテルで働く人々        
 第2章 民衆生業の社会経済圏 ――インドネシア・ソロ地方出身のジャムー売りの世界
 第3章 移動する朝鮮族と家族の分散 ――国籍・戸籍取得をめぐる「生きるための工夫」
 第4章 四国の山村における国際結婚 ――フィリピンからの「小さな民」の生き方
 column 「小さな民」としての日本農民

第2部 人権と援助――少女・先住民・地域住民の声
 第5章 少女に対する暴力 ――「伝統」に挑む権利ベース・アプローチ
 第6章 〈他者〉との共存を求めて ――フィリピン先住民族の自己表象
 第7章 開発と紛争 ――インドネシア・アチェのODA事業による土地収用と住民の周縁化
 第8章 「普遍的価値」と「人間の安全保障」 ――ODA大綱の見直しをめぐって
 column ジェンダーと人権 失われた女性:インドの性比問題

第3部 モノからみる世界と日本――グローバル化と民衆交易
 第9章 コーヒーから見える世界 ――東ティモールのコーヒー生産者とフェアトレードを考える
 第10章 インドネシア・パプア州でのカカオ民衆交易 ――共に生きる関係を目指して
 第11章 グローバル市場とフェアトレードの課題 ――南米コロンビアの伝統的金採取業の挑戦と挫折
 column モノから小さな民に思いを馳せるということ

第4部 海の民の豊かな世界――国家と国境の向こうへ
 第12章 海民の社会空間 ――東南アジアにみる混淆と共生のかたち
 第13章 ひとはいかに海を利用してきたか ――海域東南アジアの海民社会から考える 
 第14章 フィリピンとマレーシアのあいだの海域世界 ――スル諸島ムスリム社会の周辺化と自律
 第15章 海民と国境 ――タイに暮らすモーケン人のビルマとインドへの越境移動
 column 海道の起源を求め、海域世界を歩く インドネシア・北マルク諸島のフィールドから

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