「私はいい人で差別なんかしていない」と思っているすべての人へ。
マジョリティ側が当たり前と思って受けている恩恵に気づき、
差別を自分の問題として向き合ってもらうための教育書。
本書のポイント
◆マジョリティ集団のための教育本
本書では、社会的強者である「*特権を持つ集団」(マジョリティ集団)に属する人たちに対して、当たり前と思って受けている恩恵に気づかせ、社会的公正について教育するための理論および実践方法を提示する。
*「特権(優位性)を持つ集団」とは…様々な種類の抑圧において、より権力をもつ人々のこと。
男性>女性、異性愛者>同性愛者、若年・壮年層>高齢者、
健常者>障害者、自国民>他国籍民 etc.
◆なぜマジョリティ側が学ぶ必要があるのか?
これまで、マイノリティ側がいかに不利益を被っているかについては教えるが、マジョリティ側が特権によって受ける恩恵については教えていなかった。
しかし大切なのは、マジョリティ側が労することなく得ている特権(優位性)に気づき、意識を変えることである。
◆人権教育や多文化教育に関わる人に役立つノウハウ
本書は北米のダイバーシティ・トレーナーや人権活動家に向けて書かれたものではあるが、人権教育や多文化教育に関わる人に役立つノウハウは、日本においても活かすことができる。米国でトランプ前大統領の過激な発言が注目され、マジョリティとマイノリティの対立が注目されたが、日本国内でもそのような特権や差別に気づかせるための教育は今後重要になる。
目次
第1章 はじめに
第2章 特権集団について
第3章 個人の変化と発達について
第4章 抵抗を理解する
第5章 抵抗への対処法
第6章 特権集団にとっての抑圧の代償
第7章 特権や抑圧について学び直す喜び
第8章 どんな理由があれば、特権集団は社会的公正を支持するのか
第9章 社会的公正活動に人々を巻き込むために
第10章 アライ(味方)と行動
第11章 教育者の課題