仕事か、お金か、愛情か―。
「女性の活躍」が期待される今でも、女性にとって生きることはいまだ厳しい戦いである。
少子・高齢化の今、人類のインフラともいえる女性のワーク・ライフ・バランスを改めて問い直す!
○ワークライフバランスの構造を、性(男性/女性)と世代(親/子)と階層(富める者/貧しい者)の利害葛藤としてとらえ、その相互関係を包括的に議論するという他に類をみない一冊です。
○「市場」と「家庭」の関係を身近な日常生活の事象から読み解き、親密な人の間の<絆>や<関係性>、すなわち貨幣価値と権力に還元されない「価値」を見出します。
○専門家でなくても読みやすい内容で、ワークライフバランスやジェンダーに興味がある方はもちろん、仕事や家族について考えるきっかけになる、すべての人におすすめの一冊です。
目次
1 愛とお金のオイコノミア ――ちゃぶ台をひっくり返すのは誰か
オイコノミア
王子様は「掃除をすべき」城を持っている
あなたと私の「結婚条件」
「プリティ・ウーマン」の経済学
誰のおかげでメシが食えるか etc.
2 「お金で買えない幸せ」と「お金で解決できる不幸」―「絆」の代償は誰が払っているのか
家事と育児のお値段
お金で買えない幸せ
拾った小鳥のジレンマ
「絆」の代償
アグネス論争
ペットシッターとベビーシッター、どちらがお高い?
3 命をつなぐ妙技 ――子どもはかわいく進化した
子どもの「再配分」
コインロッカーベビーの衝撃
「赤ちゃんポスト」はなぜ論争を呼ぶのか
橋の下の子ども
世話をするからかわいく思える
親の命と子の命 etc.
4 女子学生興国論 ――愛とリケジョが世界を救う!?
CMの中の物語
なんで私が東大に?
「常識」の不思議
女子のランクは彼氏で決まる
CMから見えてくるメタ・メッセージ
一二年後の四谷学院CM
「女子学生亡国論」 etc.
5 少子化とジェンダー・トラック ――子どもの数が減るのは、女の子におトク?
丙午ガールズの好運
進学率のマジック
学生奪い合いの時代
短大が看板を下ろす理由
教育需要って何? 教育投資って何?
親と子どもの「量」と「質」 etc.
6 「女性の社会進出」の真相 ――「ガラスの天井」ではなく「どぶ板」が割れた
崖っぷちのジャンヌ・ダルク
誤解だらけのM字曲線
働くあなたの?生存時間?と?半減期? etc.
7 走れ! 夢の超特急「ニッポン号」 ――僕らを乗せて未来へ向かう
心の算数
子宝の値段
公共財としての子ども
「社会の宝」の総額は
夢の超特急列車「ニッポン号」
8 家族と社会のサステナビリティー ――子育て戦線のトリレンマ
犬と子ども
五号車から見る景色
魔法のクスリ
「ワーク・アンド・ファミリー」という問題群
子育て戦線のトリレンマ
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
平尾桂子/ひらお・けいこ…上智大学大学院地球環境学研究科教授。