音楽・文学・美術・建築・比較文化の見地から、
グランド・オペラの代表作《悪魔のロベール》の魅力と
19世紀という時代の心性(マンタリテ)に迫る、本邦初の研究書。
1831年パリ・オペラ座初演、マイアベーア作曲によるグランド・オペラの代表作《悪魔のロベール》を中心に、「音楽」「文学」「建築」など多彩な視点から、フランスを中心とした19世紀ヨーロッパの文化を読み解きます。オペラ、舞台芸術の愛好家はもちろんのこと、バルザック、ドガらが彩る19世紀フランス文化全般が好きな方におすすめです。
目次
序 章 ロマン主義新時代のオペラ《悪魔のロベール》
第Ⅰ部 グランド・オペラという音楽の世界
第1章 フランス・オペラの創造と発展
第2章 グランド・オペラからフランス・オペラへ
第3章 管弦楽法の折衷主義
第4章 サル・ル・ペルティエ時代のオペラ座におけるグランド・オペラとバレエ
第5章 グランド・オペラとピアノ編曲―19世紀市民社会におけるオペラの流通
第Ⅱ部 グランド・オペラを取り巻く文化
第1章 《悪魔のロベール》の悪魔表象
第2章 ドイツのマイヤベーア
第3章 「グランド・オペラ」と「世界文学」
第4章 エドガー・ドガとオペラ
第III部 パリ・オペラ座という空間
第1章 近世近代のパリ・オペラ座の建築 [中島智章]
第2章 パフォーマンスの空間、権力の空間
第3章 文学の中のオペラ座―バルザックの《悪魔のロベール》論を中心に
第4章 パリ・オペラ座初演作品一覧(1820~90)
編著者プロフィール
澤田 肇(さわだ・はじめ)
上智大学文学部教授。専門はフランス文学。
佐藤朋之(さとう・ともゆき)
上智大学文学部教授。専門はドイツ文学(ロマン主義)。単著に『キリスト教・カトリック独和辞典』がある。
黒木朋興(くろき・ともおき)
慶應義塾大学等非常勤講師。専門は比較修辞学。
安川智子(やすかわ・ともこ)
北里大学一般教育部専任講師。専門は音楽学(フランス音楽、音楽理論史)。
岡田安樹浩(おかだ・あきひろ)
桐朋学園大学、国立音楽大学、慶應義塾大学ほか非常勤講師、日本ワーグナー協会理事。専門は西洋音楽史・音楽理論。