☆図書新聞3237号(2016年1月9日発行)に書評が掲載されました。
☆週刊読書人(2015年10月16日発行)に書評が掲載されました。
国内外の研究者らが、宗教学の新たな展開を提言し、現代世界における宗教研究の今日的意義を問う
近代化やグローバル化がもたらした、現代世界が抱えるさまざまな問題。
それらの問題は、宗教や宗教学とどのように結び付いているか。
そしてその問題を緩和するために、宗教や宗教学はどのような役割を果たしうるか。
◆20世紀最大の宗教学者、ミルチャ・エリアーデ以後の流れをくむ研究者(シカゴ学派)と、その研究を日本の読者に紹介します。
◆これまで日本語ではほとんど紹介されたことのないチャールズ・ロング(カリフォルニア大学名誉教授)の論文を紹介します。
目次
序論 チャールズ・ロングの思想
―新しい共同体への展望―
第一部 宗教学の遺産
第一章 航路と祈り
―大西洋世界における宗教の起源―
第二章 時間(とき)の身体(からだ)と空間(ま)の癒し
―宗教・時間性・衛生―
第三章 奴隷制の遺産と二十一世紀への展望
第二部 宗教と政治・権力
第四章 ポスト世俗主義時代における民主主義と宗教の政治的位相
第五章 宗教学と植民地主義
―宗教の問題としての西洋―
第六章 オウム真理教と、マンガとアニメをめぐるパニック
第三部 宗教学と新しいヒューマニズム
第七章 新たな対話の共同体の創出
第八章 過去を振り返りつつ、未来に目を向ける
―西行から生命倫理まで―
第九章 アジア学院 ―土とともに生きる―
第四部 宗教と文化接触
第十章 グアダルーペの聖母と二種類の宗教経験
―個人的聖体験と儀礼的風土の共有体験―
第十一章 宗教学と先住民的価値観
―オノンダガ・ネーションの事例―
第十二章 先住民宗教の重要性
―カナダからの提言―
第五部 危機と宗教学
第十三章 周縁性の創造力
―荒木美智雄の民衆宗教論―
第十四章 赤岩栄とキリスト教の日本土着化
第十五章 宗教学から見た「水俣」
―個人・社会・環境世界における「身体」の癒し―
第十六章 例外の秘める可能性
―宗教学にとっての先史時代の日本の意義―
編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
【著者】
リチャード・A・ガードナー/上智大学国際教養学部教授
村上 辰雄/上智大学国際教養学部助教
ほか