☆週間読書人の3053号(2014年8月22日発行)に書評が掲載されました。
「SUPモダン・クラシックス叢書」は、19世紀から20世紀後半までに欧米で出版された書物の中から、優れた著作を選び、日本語として初訳出するシリーズです。
シリーズ第6冊目となる本書は、文学・社会・文化史研究者ペッカムによる大著。
該博な知識を駆使して様々なジャンルを自在に横断しながら展開する圧倒的19世紀文化思想史論。
■ゲーテ、ワーズワス、コンスタブル、ベートーベン、
ショーペンハウアー、ワーグナー ―。19世紀西欧の詩人、小説家、作曲家、画家、哲学者ら、約40名の代表的な作品を取り上げて論評。
■ロマン主義から世紀末の審美主義にいたる諸芸術の変遷、ニーチェ登場に至る19世紀精神世界の潮流を明らかにする名著、待望の邦訳。
目次
序論 歴史家の問題
第一部 古代思考の終焉
第一章 規範と文化
第二章 楽園と永遠
第三章 啓蒙思想
第二部 疎外されたヴィジョン
第四章 自我の発見 ―ゲーテ、カント
第五章 探求者 一 ―バイロン、スタンダール
第六章 探求者 二 ―ワーズワス、ゲーテ
第七章 探求者 三 ―フリードリヒ、コンスタブル
第八章 探求者 四 ―ショーペンハウアー、ベートーベン
第三部 英雄的な贖い主
第九章 価値なき世界 ―ベートーベン、カント、ヘーゲル、ショーペンハウアー
第一〇章 超越的な権威 ―カーライル、バルザック、スコット
第一一章 超越的な耳 ―テニソン、バルザック、ベルリオーズ、シューマン
第一二章 超越的な眼 ―ボードレール、ドラクロワ、ターナー
第四部 幻影と実在
第一三章 困難に直面する超越主義 ―ディズレリ、カーライル、バルザック
第一四章 挫かれた英雄―ワーグナー
第一五章 自我と対象 ―ラスキン、ブラウニング、フローベール、ボードレール、ハンスリック、ブルックナー
第一六章 様式(文体)の危機 ―シューマン、フローベール、ラスキン、ブラウニング、ボードレール、テニソン、ゾラ、ダーウィン、クールベ、マネ
第五部 様式と価値
第一七章 アイデンティティと人格 ―ワーグナー、スウィンバーン、ワイルド、モロー
第一八章 アイデンティティと様式 ―ブラームス、マラルメ
第一九章 様式と自由 ―スーラ、セザンヌ、ゴーギャン、ドビュッシー
第二〇章 悲劇を超えて ―ニーチェ
訳者解題/索引
--------------------------------------
訳者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
高柳俊一…たかやなぎ・しゅんいち/上智大学名誉教授
野谷啓二…のたに・けいじ/神戸大学教授