終わりなき省察の行方――ローベルト・ムージルの小説

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編著者名
SUP上智大学出版/発行  (株)ぎょうせい/発売  北島玲子/著
判型
A5
商品形態
単行本
雑誌コード
図書コード
5300138-00-000
ISBNコード
978-4-324-08910-1
発行年月
2010/05
販売価格
3,080 円(税込み)

内容


オーストリアの作家ローベルト・ムージルの文学的営為を、畢生の大作『特性のない男』を中心に代表作を網羅して論じます。

ムージルは20世紀のドイツ語圏における最重要作家の一人であり、とりわけ未完に終わった『特性のない男』は、プルーストの『失われたときを求めて』、ジョイスの『ユリシーズ』と並び称される長編小説です。

ムージルの作品は、1970年代からようやくドイツ語圏で研究が盛んになり、日本においてもこれまで翻訳や紹介がなされてきました。
しかし処女作『寄宿生テルレスの混乱』から『特性のない男』まで総括的に論じたものは日本でいまだ存在しません。

本書は、ムージルの全体像を日本で初めて紹介するものであり、文学研究のみならず近代における思想や文化を学ぶ人に資する1冊です。

作品論という側面を強調し、ムージルの代表作への案内書としても読めるように、また、ムージルになじみの薄い読者のために難解な専門用語を避け、生涯と作品の関係がわかりやすいようにする年譜をつけています。



目次


まえがき
序 ムージル論のための「文学研究」の定位

1 『特性のない男』へ
 『寄宿生テルレスの混乱』
 『愛の完成』と『トンカ』
 『静かなヴェローニカの誘惑』
 補説 『合一』における皮膚=身体――沈黙への通路
 『黒つぐみ』

2 『特性のない男』
 認識批判とユートピア的思惟
 愛のユートピア
 狂気のディスクール
 『特性のない男』における終わりなき省察


参考文献
『特性のない男』の構成
あとがき
ローベルト・ムージル略年譜
人名索引


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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
 北島玲子…きたじま・れいこ/上智大学文学部ドイツ文学科教授、文学博士

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