上智大学外国語学部創設50周年記念シンポジウム及び講演会(2008年12月)の記録と、同学部専任教員による論文を収録した1冊。
グローバル化された現代世界において、外国語の意味は大きく変化しています。
すなわち、外国の先進技術を吸収するための道具としてのみならず、世界の人々とのコミュニケーションを通して、日本の文化や技術を発信することや、地球という「村」の一員として一緒にさまざまな問題を解決していく必要が生じています。
このような中、上智大学外国学部では、言語教育の在り方、国際関係の捉え方、地域という概念の変化などに適応でき、また日本人として世界に貢献できる卒業生を育てていくことが使命であり、その指針として、同学部の卒業生や教員がそれぞれの分野での活躍や考えを紹介します。
第2部では、上智大学が誇る外国語学部専任教員陣が、それぞれの専門分野の中でも特に親しみやすく興味深いテーマについて各10頁前後で説いています。
目次
1 外国語学部の現在と未来
・記念講演
浦元義照 地球規模の貧困 多国籍協力の必要性と国連の役割
旦まゆみ これからの上智大学外国語学部で大切なことは?
漆原朗子 言語力を軸とした学部・学科教育の(再)構築
内田雅 私が外国語学部で学んだこと
・シンポジウム 外国語学部の現在と未来
2 外国研究の現在と未来
・グローバルな世界に生きる
人、国、地球(デヴィッド・ウェッセルズ)
世界の民主化を比較する(岸川毅)
国際経済の変容と途上国問題――多様な国際社会の共生をめざして(今井圭子)
クローン人間を作ることは許されるか?(浅見昇吾)
・さまざまな地域、さまざまな社会
アメリカ・オセアニア・イギリス地域研究(小塩和人、アラン・ペイシェンス、東郷公徳)
民衆から教育を学ぶ――ブラジル北部におけるフィールドワークより(田村梨花)
ロシア現代政治入門(上野俊彦)
インドの最も美しい伝説――ナラとダマヤンティーの愛の物語(シリル・ヴェリヤト)
・奥深い「ことば」の世界
ことばのサイエンス:人間の本性の理解に向けて(福井直樹)
言語聴覚障害学とその周辺(進藤美津子・平井沢子)
社会言語学(木村護郎クリストフ)
太平洋地域におけるフランス語(シモン・テュシェ)
スペイン語の変異(アントニオ・ルイズ・ティノコ)
・さまざまな「ことば」を学ぶ意味
応用言語学見地から見た英語習得について(坂本光代)
ポルトガル語との出逢い(エレナ・H・トイダ)
ことばが誘うアジアとの出会い――フィリピン語教育奮戦記(川島緑)
哀しくて、やがて面白、アラビア語(赤堀雅幸)
ほか
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執筆者・シンポジウム参加者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
浦元義照/国連工業開発機関本部・事務局次長
旦まゆみ/ダン・コンサルティング取締役
漆原朗子/北九州市立大学教授
内田雅/大修館書店
マウロ・ネーヴェス/上智大学外国語学部ポルトガル語学科教授
安達祐子/上智大学外国語学部ロシア語学科准教授
谷洋之/上智大学外国語学部イスパニア語学科教授
ほか