個人・企業・自治体・国家など、さまざまな主体の利害関係が交錯し、問題の解決が困難になってきている環境問題・環境政策を、客観的に分析する新しい切り口として「環境ゲーム論」を提言する書。
「ナッシュ均衡」等、環境経済学やゲーム理論の初歩的な解説から、交渉ゲーム、公共財供給ゲーム、資源ゲームなど、分野ごとに環境問題との関連を分析。
どのようなメカニズムが環境の劣化、資源の過剰利用をもたらすかを解説します。
いずれの領域においても、問題の初歩的な説明から、ある程度高いレベルの応用までわかりやすく解説します。
実験経済学や、地球温暖化対策シミュレーションとゲーム論の関係など、今日的な話題についても取り上げています。
環境政策にかかわる、また、環境問題に関心を持つすべての人にお勧めの一冊です。
目次
1 ゲーム論と社会・個人
2 環境政策と経済学
3 ゲーム理論の概要
4 戦略型ゲーム
5 公共財ゲーム
6 資源ゲーム
7 交渉ゲーム
8 提携ゲーム
9 環境汚染と雇用の交渉ゲーム
10 共有資源ゲームと実験
11 公共財の自発的供給と安定性
12 温暖化ゲームのシミュレーション
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
鷲田豊明…わしだ・とよあき/上智大学大学院地球環境学研究科教授、経済学博士