ポルトガルの現代史を語るうえで欠かせない1974年4月の「カーネーション革命(4月25日革命)」を軸に、現代のポルトガルの歴史をドキュメンタリータッチで描く1冊。
ポルトガルといえば、日本人には華麗なサッカーのイメージが定着していますが、本書では、稀代の独裁者サラザール、ほぼ無血に終わった革命、ヨーロッパの大国と渡り合った歴史、哀愁を感じさせる国民性などを記しており、新たな現代のポルトガルを知る手がかりとなります。
著者は、ポルトガル語を専門とした言語学者。
歴史研究書・専門書の体裁はとらずに、著者が興味を持ったエピソードを中心に、軽妙なタッチでポルトガルの魅力を伝えます。
ポルトガルを知るための入門書としてあらゆる人にお勧めです。
目次
1 「偉大さ」の代償
・中立、いや忠実、それとも…
・愚民たれ、小国民たれ、そして私が指導者だ!/ほか
2 「革命」の二四時間
・今夜のラジオに注目
・「革命」の歌が流れた!/ほか
3 果てなき帝国
・初めてのメーデー
・「革命」の反響/ほか
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著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
市之瀬敦…いちのせ・あつし/上智大学外国語学部ポルトガル語学科教授