大好評を頂いている「
歴史家の工房」(2003年4月発刊)の続編。
歴史学研究の方法を解説した論文をまとめ、日本史、東洋史、西洋史の分野ごとに編纂しました。
歴史学研究の「史料」及びその周辺の諸問題を、最先端の研究テーマを題材にわかりやすくかみ砕いて解説する、歴史学の入門書です。
目次
●はじめに
●日本史
・<積善藤家>の歴史叙述――『周易』をめぐる中臣鎌足・藤原仲麻呂/北條勝貴
・平安時代文化史の年代観試論――古代から中世へ/佐々木英夫
・室町将軍専制化への桎梏――室町幕府政治史の一齣/青山英夫
・「史実」とは何か――安土城天主(守)復元「論争」の顛末/川村信三
・中世武家文書の伝来をめぐる近世武士――青木文蔵(昆陽)の書物調べと安保文書/福嶋紀子
・書物から歴史を見る――近世和本の世界/橋口侯之介
・日本における災害と海外メディアの歴史学――米国新聞の関東大震災報道より/長田彰文
●東洋史
・無能な夫を持つ妻は…――『袁氏世範』の女性観/大澤正昭
・朝鮮王朝における儒教的婚礼の普及について――両班知識人の親迎論との関連から/山内弘一
・翻訳ブームの中華帝国/岡本さえ
・蒋介石の「最后関頭」演説を読む――盧溝橋事件への中国サイドからのアプローチ/坂野良吉
●西洋史
・碑文とイメージから読み解く古代アテナイ人の宗教と政治――ヘファイストスとアテナ女神の祝祭の意図を手掛かりに/齋藤貴弘
・ローマ時代の落書きが語る人間模様――いじめ、パワハラ、それともセクハラ?/豊田浩志
・「カノッサの屈辱」とモデナ大聖堂――『聖ゲミニアヌス移葬記』を読む/児嶋由枝
・書物の普及と王権・教会――近世フランスの場合/長谷川輝夫
・ドイツ降伏の日はいつか――第二次世界大戦終結の日をめぐる史実と伝説/井上茂子
・あとがき
・執筆者紹介