キリスト教における「東方起源」に焦点を当て、修道制を現代に位置づけようとする、我が国第一線の研究者による意欲的学術論文。
21世紀初頭の混迷する社会状況下で、キリスト教の「使信」はいかなる有効性をもちうるか、修道制に学ぶものは何かを、各ジャンルの専門家が考察します。
目次
・古代末期におけるキリスト教修道制の成立と発展
・テクラ崇敬と女性
・ビザンツの静寂主義的修道制における「修行」の意義
・中世の荒れ野――仮想現実の楽園
・アイルランド修道制(6〜12世紀)
・中世キリスト教社会の周縁にいる女性たち
・ベギン――信仰と業の合一を求めて
・16世紀新修道会のなかの「イエズス会」の意義