グローバル化の中で異文化間の摩擦が日常化している現代、人種・宗教・文化の違いを乗り越え、相互理解を深める「処方箋」はあるのか。
思想史、文化現象、社会状況、大衆思想、言語改革などの視点から世界思想の流れを分析し、その本質をとらえ、多元的文化性が世界の平和と秩序の維持に寄与できるかを考察します。
目次
1 グローバル化と向き合う地域
アメリカにおける合理的生産体制と社会背景/産地・企業・国家とグローバル化/民主化の中の少数民族/イスラームと多元主義、イスラームの多元主義
2 言語の多元性をめぐって
スペイン帝国の言語/言語の共存とヨーロッパ/クレオールと多元世界
3 文化の差異をこえて
ブラジル社会の多文化性と多文化主義/EU基本権憲章にみるヨーロッパ市民権概念/カンボジアの文化遺産が立脚する思想と美意識/コスモポリタニズム再考
・座談会 文化の多元性を生きる
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編者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
泉邦寿…いずみ・くにひさ/上智大学外国語学部フランス語学科教授
松尾かず之(「かず」は「『式』の『エ』が『一』」)…まつお・かずゆき/上智大学外国語学部英語学科教授
中村雅治…なかむら・まさはる/上智大学外国語学部フランス語学科教授