環境法を学ぶ初歩者から中上級者のための案内書としておすすめ。
・複雑な環境法の内容・範囲を整理し、環境問題を解決するために必要な知識と能力を育成する環境法入門書
・環境法の個別法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、廃棄物処理法、自然保護法など)について、それぞれの分野での紛争事例を詳解する。
・「福島原発事件」では、裁判での被害者救済の在り方、財物賠償、ふるさと喪失の慰謝料、原発施設の差止請求等について検討することで、日本のエネルギー政策の在り方を考える。
目次
第1部 日本の3大環境汚染事件 ―足尾鉱毒事件、水俣病事件、福島原発事件―
第1章 足尾鉱毒事件
1 背景
2 足尾鉱毒事件の発端
3 古河市兵衛と被害民の示談契約
4 鉱業停止請願運動と政府の対応
5 川俣事件の刑事裁判
6 足尾鉱毒事件の終息
第2章 水俣病事件
1 水俣病
2 熊本水俣病事件
3 行政の責任―水俣病関西訴訟事件判決―
4 阿賀野川・新潟水俣病事件第1次訴訟
5 水俣病の認定訴訟
6 水俣病事件の教訓
第3章 原子力発電所事故の環境汚染をめぐる法と被害者救済の訴訟―福島原発事件を中心に―
1 福島原発事故
2 原子力基本法
3 原子炉等規制法
4 電気事業法
5 原賠法・支援機構法
6 損害賠償請求の手続
7 伊方原発事件の最高裁判決
8 高速増殖炉もんじゅ事件訴訟
9 志賀原発2号炉差止請求訴訟
10 原子力発電所の新規制基準
11 福島原発事故の訴訟
12 除染と原状回復
13 函館市の大間原発差止請求訴訟
14 福島原発事故後、初の判決―大飯原発3、4号機運転差止判決―
15 エネルギー政策の選択
第2部 環境汚染をめぐる法と紛争
第4章 環境法の対象と特色
第5章 環境政策の手法
1 計画的手法
2 規制的手法
3 経済的手法
4 情報的手法
5 手続的手法
6 合意的手法
7 自主的取組手法
8 手法の組合せ
第6章 環境法の理念・原則・基本指針・環境基本法
第7章 環境影響評価法
1 環境影響評価法の背景と事例の検討
2 環境影響評価法の概要
第8章 大気汚染防止法
1 大気汚染防止法の概要
2 四日市大気汚染訴訟 etc.
第9章 低炭素社会づくりの法
1 日本の地球温暖化対策
2 地球温暖化対策の新たな展開
第10章 水質汚濁防止法
1 水質汚濁防止法の概要
2 イタイイタイ病事件
第11章 土壌汚染対策法
1 目的と対象
2 土壌汚染状況調査
3 要措置区域 etc.
第12章 廃棄物処理法
1 廃棄物処理法の目的と定義
2 廃棄物の分類
3 一般廃棄物の規制
第13章 循環型社会づくりと法
1 循環基本法
2 容器包装リサイクル法
第14章 人と自然の共存社会
1 里地里山
2 生物多様性の保全と再生の方向
3 生物多様性基本法