哲学・神学・文学・歴史学・教育学の研究者による、人類存在の原点の探求!
「人間の尊厳」の理念が、西洋・東洋の思想・文芸上の歴史的伝統及び宗教・教育史をとおしていかに探求・吟味されたかを、哲学・神学・文学・歴史学・教育学の各専門家が、それぞれの専門領域内外からわかりやすく解説しています。
とりわけ、西洋の精神性に偏向したままでは空け開くことが等閑にされてしまう東洋の伝統に学び開眼する上で、まずは日本の宗教史及び教育史における探求を通しての、また日本の思想的伝統からの〈人間の尊厳〉の基礎の開拓と発見に大きく重点がおかれています。
人間として生きることが何か定かでなくなってきている今日、「真の人間になることをもう一度学び直す」ための一冊です。
目次
1 人間の尊厳の歴史的研究
I キリスト教の伝統と人間の尊厳
(1)聖書における人間の尊厳
(2)切望する精神
II 近世・近代の日本社会と人間の尊厳
(3)江戸時代における少子化と養育プラン
(4)明治期の思想と人間の尊厳
(5)個人の尊厳と国民の尊厳
III 現代社会と人間の尊厳
(6)「人間の死」のあとで人間の尊厳を問う
(7)「人道に対する罪」の成立について
2 人間の尊厳をめぐる宗教思想と倫理的諸問題
I 日本の宗教思想をとおしての人間の尊厳への問い
(1)日本の国学における人間の尊厳
(2)草木成仏論と他者表象の力
(3)親鸞思想における人間の尊厳
(4)「空」と人格
II 西洋思想における〈人間の尊厳〉の理念の展開
(5)人文的教育と人間の尊厳の概念の基盤
(6)キリスト教思想・倫理における〈人間中心性〉とは?
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
菅野カーリン/上智大学文学部ドイツ文学科教授(2011年3月31日まで)
ジョセフ・S・オリアリー/上智大学文学部英文学科教授
湯川嘉津美/上智大学総合人間科学部教育学科教授
渡部清/上智大学名誉教授(文学部哲学科)
大橋容一郎/上智大学文学部哲学科教授
永井敦子/上智大学文学部フランス文学科教授
井上茂子/上智大学文学部史学科教授
瀬間正之/上智大学文学部国文学科教授
北條勝貴/上智大学文学部史学科准教授
高山貞美/上智大学神学部神学科准教授、聖心布教会司祭
田中裕/上智大学文学部哲学科教授、哲学研究科委員長
ミカエル・デプレ/上智大学文学部フランス文学科准教授
長町裕司/上智大学文学部哲学科・大学院哲学研究科教授