欧米の優れた著作を日本で初めて紹介するモダン・クラシックス叢書の4作目として、歴史学者ジュディス・R・ウォーコウィッツが19世紀イギリス売春婦の実像を描いた著作を翻訳して発刊します。
本書は、実証主義に基づき売春をめぐる当時のセクシュアリティの多様性を描いています。
伝染病法(女性の膣検査)廃止運動を行うフェミニスト、様々な階級の男性、売春婦等それぞれのイデオロギーを読み解きながら、売春婦の、ひいては女性の政治的主体の形成をひとつの物語としてまとめています。
目次
序文――女性の反乱
1 売春、社会科学、性病
2 伝染病法、規制主義者、廃止論者
3 ふたつのケース・スタディ―プリマスとサウサンプトンにおける伝染病法
エピローグ
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翻訳者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
永富友海…ながとみ・ともみ/上智大学文学部英文学科准教授