インドネシア現代文学を代表する女性作家ディー・レスタリの短編集、本邦初の全訳!
表題作「珈琲の哲学」をはじめ、さまざまな形の愛を追い求める人たちの
痛みと迷いと癒しを鮮やかに描き出す珠玉の18篇を収録。
インドネシア現代文学を代表する女性作家ディー・レスタリ(Dee Lestari)の短編集、Filosofi Kopi: Kumpulan Cerita dan Prosa Satu Dekade(2006年)の全訳書です。『珈琲の哲学』は、2006年に出版された彼女の最初の短編集で、収録18篇の多くは、不倫や同性愛、友人への恋愛感情など、さまざまな境遇の恋愛における葛藤やすれ違いをめぐりプロットが展開します。その中で、表題作の「珈琲の哲学」(1996年作)は、コーヒーショップを経営する男2人の友情の物語であるという点で異色の存在です。本作は2015年にインドネシアで映画化され大ヒットを記録、日本でも公開されました。
原著者プロフィール
ディー・レスタリ(Dee Lestari)
1976年生まれ。学生の頃から音楽活動を始め、1995年にリダ・シデ・デヴィという女性3人のバンドでデビュー。その後、2001年に、『スーパーノバ:騎士と王女と流星』という長編小説により文壇デビューを飾る。同作は最初のひと月で1万2千部の販売を記録しベストセラーに。『スーパーノバ』シリーズは2016年の完結作に至るまで計六部作となった(いずれも未邦訳)。
翻訳者プロフィール
監訳者 福武 慎太郎(ふくたけ・しんたろう)/上智大学総合グローバル学部教授、上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻博士後期課程満期退学。博士(地域研究)。名古屋市立大学専任講師、上智大学外国語学部准教授を経て現職。専門は人類学、東南アジア地域研究(特に東ティモール、インドネシア)。主著に、『グローバル支援の人類学―変貌するNGO・市民活動の現場から』(共著、昭和堂、2017年)、『平和の人類学』(共著、法律文化社、2014年)など、訳書に、アンドレア・ヒラタ『虹の少年たち』(加藤ひろあきとの共訳、サンマーク出版、2013年)がある。
訳者 西野 恵子(にしの・けいこ)/上智大学インドネシア語非常勤講師。
東京外国語大学東南アジア課程インドネシア語専攻卒。在学中にガジャマダ大学文化研究学部へ留学。現在はフリーランスのインドネシア語通訳・翻訳者として、主に産業分野での翻訳を行う。
訳者 加藤 ひろあき(かとう・ひろあき)/よしもとクレアティフインドネシア所属ミュージシャン・タレント・俳優・翻訳家。
東京外国語大学東南アジア課程インドネシア語専攻卒。同大学院にて地域文化研究科博士前期課程、言語文化専攻言語・情報学研究コース修士号取得。桜美林大学、上智大学でのインドネシア語非常勤講師を経て、現在はジャカルタに移住し芸能活動を行う。2017年に1stアルバム「HIROAKI KATO」をリリースし、2018年インドネシアで行われたアジア競技大会ジャカルタ・パレンバンにて大会公式テーマソングの日本語訳詞と歌唱を担当。訳書にアンドレア・ヒラタ『虹の少年たち』(福武慎太郎との共訳、サンマーク出版、2013年)がある。ウェブサイト:http://hiroakikato.com/