教養・一般
忘れられた米軍ハウス
2,200円(税込み)
戦後占領下の日本の米軍ハウスにおける越境と遭遇
~生活環境にみる日米関係の新たな視座~
〇本書は、第二次世界大戦後の時代において忘れられている日米関係、なかでも生活環境という「私的領域」における「遭遇―交流・交渉・受容・拒絶―」を主題とする。 〇これまでの国際関係史研究は、政治外交・軍事経済という「公的領域」に焦点を当て、帝国・植民地主義的覇権国家の「強要」に注目したものが多かったが、本書では「支配・被支配」という二元論的な枠組みからはみ出し、日米双方の家族を含めた、占領者と被占領者の日常的で私的な出会いという点から、日本がどのように新たな規範や制度、慣習を生み出していったのかを考察する。
そこには、アメリカからの片務的(一方的)ではない相互連関が見えてくる。
序 章
第1章 「公的領域」から「私的領域」の考察へ
第2章 戦後日本占領史と記憶
第3章 米軍ハウスと家具・什器の生産
第4章 日本国内外に広がる米軍ハウス
第5章 生活空間で繰り広げられた「遭遇」
第6章 日本最大のグラントハイツ
第7章 越境する生活文化史研究
終 章
小塩和人(おしお かずと)
1958年 東京生まれ
1982年 筑波大学人文学類卒業
1992年 カリフォルニア大学大学院修了(UCSB, Ph.D.)
日本女子大学文学部教授を経て、
現 在 上智大学外国語学部教授
[主著]
『水の環境史』(玉川大学出版部、2003年)
『アメリカ環境史』(上智大学出版、2014年)