2025年3月下旬発売予定。現在予約受付中です。
小さな扉から
キリスト教文学の奥深い世界へ
人間の生み出す「ことば」と「物語」の力を探究する
◆学生にも親しみやすい『星の王子さま』『モモ』『はてしない物語』などのファンタジー文学から、日本の文豪・太宰治と遠藤周作、また日本ではあまり知られていないが世界最高峰のキリスト教文学を残したジョルジュ・ベルナノス等の作品を取り上げ、神学、哲学、人間学などの様々な視点から、キリスト教と文学のかかわりを読み解く。
◆文学の持つ役割、物語の知についても考察を深める一冊。
目次
第一部 人間探究と文学
第一章 文学の役割
第二章 詩の象徴表現
第三章 「物語」と人間
第四章 聖書――大いなる物語
第二部 ファンタジー文学とキリスト教
第一章 『星の王子さま』――砂漠の中の泉
第二章 『モモ』――人間と時間
第三章 『はてしない物語』と聖書
第三部 比較文学とキリスト教
A)太宰治研究
第一章 太宰治とキリスト教
第二章 美しい生き方――『駈込み訴え』と『女生徒』
第三章 『如是我聞』と『人間失格』
第四章 太宰の罪意識
第五章 「愛」の探究
B)遠藤周作研究
第一章 遠藤周作とキリスト教
第二章 『沈黙』
第三章 『深い河』
第四部 キリスト教文学と霊性――ベルナノスの文学世界
第一章 作家と聖性
第二章 『田舎司祭の日記』――対話と交わりの文学
第三章 交わりの詩学
第四章 『ウィーヌ氏(死せる教区)』と『田舎司祭の日記』
第五章 ベルナノスと遠藤周作
第六章 『カルメル会修道女の対話』――聖性の交響楽
コラム
キリストの詩人 八木重吉/人生は物語となる 「あなたが子孫に語り伝える」(出エジプト10・2)/C・S・ルイスの文学世界/パスカル『パンセ』を味わうために
執筆者紹介
片山 はるひ
上智大学フランス文学科卒業、同大学院博士課程修了。フランス・プロヴァンス大学にて文学博士号を取得。上智大学文学部教授を経て、現在上智大学神学部教授(専攻:キリスト教文学、キリスト教の霊性)。ノートルダム・ド・ヴィ会員。