ロボット、操り人形、マネキン、ぬいぐるみなど、ヒトの形を象る様々な「モノObjects」が登場する日本の現代演劇を海外に向けて紹介
現代日本の人形劇が文楽(人形浄瑠璃)と児童劇に代表されるという国内外の先入観を打破し、ポストヒューマンの現代社会を反映する大人向け人形演劇について解説。
さらに、パペット・アートの発展、ロボット等の技術開発、社会性の強いテーマや名作文学にも挑む芸術としてノンヒューマンな特質を持つ人形演劇を考察。
目次
PART ONE Contemporary Japanese Performing-objects and Material Performance
Chapter 1 Overview
Chapter 2 The Rise of Object Theatre
Chapter 3 Rupture and the “Real”
Chapter 4 Collaborative Productions: Local and Global
Chapter 5 Robot and Android Theatre
Chapter 6 New Media Theatre and Intermedial Theatre
PART TWO Japanese Material Performance in Translation
Chapter 7 Tengai Amano and Heitaro’s Yokai Diary
Chapter 8 Kiyokazu Yamamoto and Choan and the Ripped Umbrella: Heisei Trick Peep Show
Chapter 9 Kuro Tanino and Avidya—The Dark Inn
編著者プロフィール
ボイド眞理子(Mari Boyd)
上智大学名誉教授
研究分野は現代日本演劇、特に静か系演劇、人形演劇、インターカルチュラル・パフォーマンス。ミッションは上質の日本のコンテンポラリ・パフォーミング・アーツを海外に英語で発信することにある。研究書には『静けさの美学―太田省吾と裸形の演劇』(上智大学出版 2006)のほか、共著『20世紀の戯曲Ⅲ:現代戯曲の変貌』(社会評論社 2005)、『戦火から甦る:占領下の日本演劇の復興1945-52年』(2009)、『コロンビア日本戯曲集』(2014)、『ケンブリッジ日本演劇史』(2016)等がある。英訳編集には日本劇作家協会編『現代日本の劇作』10巻(紀伊國屋書店 1999~2008)、『長谷川孝治戯曲集:弘前劇場の二つの場所』(太田出版 2002)、『エンゲキ:新世紀の日本演劇』1-5巻(日本劇作家協会 2016~2020)。