これからの大学に求められるグローバル人材育成の新戦術!
日本国内にいながらにして海外からの学生とともに学ぶ「短期集中型国際研修」(Practices and issues of short-term in-country international courses)について、東京大学、北海道大学、上智大学、埼玉医科大学、大東文化大学における実践報告を通して、実施手法、成果、課題、今後の展開のヒントまで体系的に示します。
本書のポイント
○学生にとって経済的・心理的・時間的負担が比較的軽く、多様なカリキュラム編成が可能な取り組み―国内にいながらにして、海外からの学生とともに学ぶことができる短期集中型の国際教育プログラム―を導入する大学が増えてきています。
○異文化・異言語に集中的に触れる現場体験、ワークショップ、討議などを通してグローバルな視野・スキル・知識を養うことを目指し開発された数日から数週間程度のプログラムの実例を詳細に紹介。現在同様の試みを行っている、または今後の導入を検討している大学関係者等に役立つ内容です。
目次
第Ⅰ部 背景:大学における「国際研修」の位置づけ
〔第1章〕国際高等教育における学びの多様性
〔第2章〕短期国際研修で学生は何を学んでいるのか
第Ⅱ部 実践:日本の文化をとらえなおす
〔第1章〕東京大学の取り組み:ANUの学生とともに「日本のシンボル」について学ぶ
〔第2章〕東京大学の取り組み:大都市「東京」を舞台にした短期国際研修
第Ⅲ部 実践:日本の自然と環境をとらえなおす
〔第1章〕北海道大学の取り組み:Cool Hokkaido―グローカルな教育研究拠点を創造する―
〔第2章〕上智大学の取り組み:フィールドから学ぶ人間社会と自然環境の相互関係
〔第3章〕上智大学の取り組み:アジア・パシフィックイエズス会大学連盟(AJCU-AP)サービスラーニング・プログラム
第Ⅳ部 実践:専門性に根差した国際的資質の養成のために
〔第1章〕埼玉医科大学の取り組み:包括的な国際プログラムの国内国際研修
〔第2章〕大東文化大学の取り組み:「グローバルキャンプ埼玉」―疑似留学体験型研修授業の試み―
第Ⅴ部 現状の分析と将来のヒント
〔第1章〕実践を俯瞰して考える
〔第2章〕将来の実践へのヒントと可能性
編著者プロフィール
(①職名 ②学位 ③主な研究分野・テーマ)
櫻井勇介(さくらい ゆうすけ)
①お茶の水女子大学講師(前・東京大学大学院総合文化研究科附属国際交流センター特任講師) ②博士(教育学・ヘルシンキ大学) ③国際教育、国際的な場面で学ぶ学生の学び、ならびにその質評価など
文 景楠(むん きょんなみ)
①東北学院大学准教授(前・東京大学大学院総合文化研究科附属教養教育高度化機構初年次教育部門助教) ②博士(学術・東京大学) ③アリストテレスを中心とする西洋古代哲学
佐藤亮司(さとう りょうじ)
①名古屋外国語大学現代国際学部現代英語学科講師(前・東京大学大学院総合文化研究科附属国際交流センター特任助教) ②博士(哲学・モナシュ大学) ③現代英米哲学(特に心の哲学)、脳神経倫理学など
杉村美紀(すぎむら みき)
①上智大学総合人間科学部教育学科教授/グローバル化推進担当副学長 ②博士(教育学・東京大学) ③比較教育学、国際教育学、ヒトの国際移動と多文化社会の教育