時事の話題と学校の法規―四分で読める管理職のためのヒント集―（予約）

令和７年12月下旬発売予定。現在予約受付中です。


学校応援団から校長、教頭へのエール！


◆本書は、「内外教育」（時事通信社刊）で連載していた約7年分の教育法規に関する論説を加筆修正してまとめたもの。その時々に教育現場で話題となったテーマを深堀することができます。さらに、４分で読み切れる分量にまとめているので、忙しい学校管理職でも気軽に読み進めることができるよう工夫がなされています。 ◆近年では、不登校やいじめ、モンスターペアレントへの対応といった今までにない対応の難しい問題や過大な要求に教育現場では直面しています。このような課題や要求をクリアするためのヒントとなる一冊です。 ◆文部科学省で長年教育制度の立案に携わった経験を持ち、その後、島根県教育委員会学事課長及び千葉県教育次長を歴任し、地方教育行政の現場も経験した著者が執筆しています。

目次

はじめに

第Ⅰ章　児童生徒、教科指導
（1）就学義務、入学・進級
　性別欄と両性の本質的平等
　国際学校と保護者の就学義務
　原級留置の積極的運用
　就学義務と学校教育
　高校定員内不合格と希望者全入
　デジタル併願制主導への違和感
　入学金返還報道と文科省通知
　高校入試の多様化と希望者全入

（2）教育課程
　新元号と元号の使用
　自分の意見を持てる主権者教育
　消費者保護と実践的な金融教育
　象徴天皇制と皇室制度の理解
　ゲーム依存症と読書の奨励
　国葬と半旗掲揚の要請
　納税者教育の重要性
　少子化対策と子育て教育
　生成AIの取り扱いと主体的対応
　学習指導要領の変遷―番外編―
　学指導要領改訂と道徳教育

（3）教科指導・教材、学校給食
　オンライン授業と対面指導
　学校給食と手作り弁当
　デジタル教科書全面導入の議論
　教育勅語の教材使用
　学校給食の目標と過度の期待
　教科書制度と「書かせる検定」

プロムナード～不登校と学校教育

第Ⅱ章　生徒指導
（1）不登校
　不登校特例校の設置促進
　調査書見直し論への懸念
　スクールカウンセラーの常勤化
　学校復帰に向けた不登校支援
　学校復帰の重要性と多様な学び

（2）いじめ
　いじめ加害者に対する特別な指導
　出席停止制度の見直し
　いじめ防止法の見直し論
　いじめの認知と危機意識の強化
　説明責任と相手方の同意
　いじめ重大事態と首長部局の関与
　いじめ防止対策と道徳教育
　いじめ重大事態調査の目的と限界
　いじめの積極的な認知の必要性

（3）懲戒、校則、健全育成
　高校生の妊娠と自主退学勧告
　自宅待機要請と出席停止
　生徒指導提要の改訂
　男女交際を禁ずる校則の有効性
　親権者の監護及び教育の権利
　こども大綱と意見表明の機会
　「不健全図書」の性格と名称変更
　私立学校の特性と校則
　飲酒生徒の動画投稿と退学勧告
　有形力の行使と適法な指導

プロムナード～議員立法の危うさ

第Ⅲ章　教職員
（1）服務、働き方改革、教職の魅力化
　教師に対する損害賠償求償権
　学校閉庁日と教員の休日
　働き方改革と部活動の位置付け
　部活動の地域移行
　わいせつ教員排除の方法
　わいせつ教員データベースの懸念
　支援スタッフの充実と働き方改革
　教職の魅力化方策を考える
　民事賠償責任と互助制度
　教職魅力向上と奨学金返還免除
　教育委員会の奨学金代理返還
　教職の魅力を高める施策（再説）
　指導改善研修制度の厳格運用

（2）勤務条件、給与、職種
　スクールロイヤーの制度化
　教員支援スタッフの制度化
　教職調整額の見直し論について
　教職調整額見直しの議論
　人材確保法と優遇措置の実現
　教員業務支援員の充実に向けて
　NHKへの抗議と教職調整額増額
　教職調整額の改善と業務量管理
　給特法等の改正法修正の意義

（3）教員養成、教員免許、教職課程
　教育実習、介護等体験の特例措置
　性暴力教員への免許再授与要件
　教員免許更新制の発展的解消
　特別支援教育を担う専門性
　専門性の確保と教職の魅力

（4）管理職、校務掌理
　女性管理職の登用
　民事賠償と管理職の責任
　国立大学附属校での法令違反
　主体的な校務分掌の整備

プロムナード～国民の劣化と国家像

第Ⅳ章　学校教育制度
（1）教育基本、教育無償化、奨学金
　教育振興基本計画の法的性格
　奨学金の返還と保証債務
　学問の自由とその範囲
　分別の利益と保証債務の範囲
　こども基本法と意見表明権
　学校給食費無償化と教育政策
　政治的教養教育の見直し
　フリースクールと公的支出
　熟議のない教育費無償化への懸念
　ランドセル無償配布の普及

（2）学校制度
　高等学校の専攻科と補習科
　高校普通科改革と共通性重視
　小学校三五人学級の実現
　高額ランドセル雑感
　高等学校卒業程度認定審査
　都立高の男女別定員制の見直し
　才能教育の優先事項
　単位不認定と部分社会の法理
　高校中退と広域通信制高校
　国公立校の男女別学と憲法十四条
　通信高校サポート施設と通学定期券

（3）外国人
　外国人児童生徒への日本語指導
　夜間中学と外国人の教育機会
　外国人児童生徒の就学機会確保
　在留外国人の増加と教育制度
　高度外国人材の獲得と教育環境

（4）教育行政、設置者管理主義
　国の関与とランドセル重量
　スマホ持ち込みと文科省の通知
　携帯持ち込み禁止通知（再説）
　不登校とインター校振興
　公立高校の重点的な支援策

（5）教育寄附、施設・設備管理
　ふるさと納税と教育寄附
　受動喫煙防止と喫煙の自由
　部活動の地域移行と学校施設
　プール溢水事故と働き方改革
　学校プールの老朽化と水泳授業
　学校統廃合と適正規模

プロムナード～公立学校への期待

主な引用判例一覧

著者紹介

加茂川幸夫（かもがわ・さちお）

昭和26年北海道生まれ。昭和49年北海道大学法学部卒。
文部省に入り、教科書企画官、中学校課長、財務課長、官房審議官（初中局担当）、私学部長、文化庁次長、生涯学習政策局長などを歴任。
地方教育行政では、島根県教育委員会学事課長及び千葉県教育次長。
東京国立近代美術館長、三井住友海上損害保険会社顧問を経て、現在、（学）幕張インターナショナルスクール理事長。
この間、東京理科大学非常勤講師（教職課程）、文化審議会文化功労者選考委員会委員、東京都私立学校審議会委員など。

＜主な著書＞
「判例研究学校の法的トラブル集」（共著・学事出版）
「高等学校教務運営マニュアルー教育指導編」（共著・学事出版）
「高等学校教務運営マニュアルー生徒指導編」（共著・学事出版）
「いじめ問題から学校を変える」（編著・第一法規出版）
「Q＆A 学校トラブルの対処術」（ぎょうせい）