国の生命倫理指針に関する初めての総合的研究!!
研究規制のために「法律」が必要とされる西欧諸国に対し、「研究倫理指針」という行政ルールが研究者を規制する日本。
ソフトな規制と評価される一方、研究現場から指摘される問題や弊害、生命倫理に及ぼすひずみ、ゆがみとは?
医科学の研究者、医学者、行政担当者、法学研究者が、徹底した共同研究に基づき、医科学研究の現実と理想、生命倫理の現状と展望を論じています。
生命倫理指針の問題に、理論的・学術的に初めて正面から取り組んだ、日本の生命倫理界に一石を投じる書です!
目次
日本の研究倫理指針の成立 ――序にかえて(青木清)
1 総括
1 日本の生命倫理と研究倫理指針(町野朔)
2 日本における生命科学研究の規制と推進――研究者からの視点(加藤忠史)
2 研究倫理指針の現状と問題
1 法令と行政指針等の概観(浅川茂樹)
2 ヒト胚・幹細胞研究の規制――クローン、ヒト胚、ES細胞(辰井聡子)
3 ヒトゲノム指針・臨床研究倫理指針・疫学研究倫理指針――基本概念から見た倫理指針の問題点(米村滋人)
4 「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」について(森岡久尚)
5 脳研究――現場からの視点(加藤忠史)
6 基礎研究と臨床研究(梅澤明弘)
7 「シームレスな研究」のために(松山晃文)
3 研究倫理指針の基本概念
1 生命倫理における民主主義と行政倫理指針(中山茂樹)
2 研究の自由と公共性(奥田純一郎)
3 知的財産権と生命倫理(隅藏康一)
4 ヒト胚、人間の尊厳、プライバシー(奥田純一郎)
5 ヒト胚研究の倫理と法――憲法学の視点から(中山茂樹)
6 医科学研究におけるインフォームド・コンセントの意義と役割(米村滋人)
7 医科学研究における個人情報保護(磯部哲)
8 多能性幹細胞時代の個人情報保護(松山晃文)
9 倫理審査と倫理審査委員会――医療プロフェッションの自律性(磯部哲)
4 国際的動向の中の日本の生命倫理的規制
1 英国Human Fertilisation and Embryology Actの改正(石原理)
2 ヒト・クローン研究と生命倫理ガバナンス(町野朔)
3 ヒト由来試料の取扱い(佐藤雄一郎)
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
青木清…あおき・きよし/上智大学生命倫理研究所所長、人間総合科学大学副学長、ローマ教皇庁生命アカデミー会員、上智大学名誉教授(生命科学研究所)
町野朔…まちの・さく/上智大学法学研究科教授、上智大学生命倫理研究所所長代行、法学士
加藤忠史…かとう・ただふみ/理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム チームリーダー、博士(医学)
浅川茂樹…あさかわ・しげき/上智大学生命倫理研究所所員
辰井聡子…たつい・さとこ/明治学院大学法学部准教授、上智大学生命倫理研究所客員研究員、博士(法学)
米村滋人…よねむら・しげと/東北大学大学院法学研究科准教授、修士(法学)、学士(医学)
森岡久尚…もりおか・ひさよし/厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課課長補佐
梅澤明弘…うめざわ・あきひろ/国立成育医療研究センター部長、上智大学生命倫理研究所所員、博士(医学)
松山晃文…まつやま・あきふみ/上智大学生命倫理研究所所員、(財)先端医療振興財団 再生医療研究開発部門 膵島肝臓再生研究グループ・グループリーダー、博士(医学)
中山茂樹…なかやま・しげき/京都産業大学大学院法務研究科准教授、修士(法学)
奥田純一郎…おくだ・じゅんいちろう/上智大学法学部法律学科教授、上智大学生命倫理研究所所員、修士(法学)
隅藏康一…すみくら・こういち/政策研究大学院大学准教授、博士(工学)
磯部哲…いそべ・てつ/慶應義塾大学大学院法務研究科准教授、博士(法学)
石原理…いしはら・おさむ/埼玉医科大学医学部教授、博士(医学)
佐藤雄一郎…さとう・ゆういちろう/神戸学院大学法学部准教授、修士(法学)