上智大学大学院グローバル・スタディーズ科で2002年から2007年まで研究を積み重ねてきた「地域立脚型グローバル・スタディーズの構築(通称AGLOS)」プログラム(文部科学省「21世紀COEプログラム」として採択)の成果をまとめたシリーズ。
本書は、特にカンボジアのアンコールワット遺跡での調査研究や社会的活動について、文化遺産学・遺跡保存・遺跡活用などの観点から、地域における遺跡のあり方をその道の第一人者たちが述べるものです。
アンコールワットや文化遺産に興味ある全ての人におすすめです。
目次
・はじめに(石澤良昭、丸井雅子)
1 文化遺産保存の新潮流
・カンボジア発信のグローバル・スタディーズ――文化遺産と地域論理、そして文化遺産学へ(石澤良昭)
・遺跡エンジニアリングの誕生と発展(遠藤宣雄)
・21世紀のカンボジア社会文化発展戦略(坪井善明)
・世界遺産への挑戦――アンコール地域環境保全への取り組み(ラオ・キム・リァン)
2 カンボジア現代社会における遺産の継承・共生
・アンコールは何を継承してきたのか――バンテアイ・クデイ遺跡を出発点に(宮本康治)
・地域と共に生きる文化遺産――バンテアイ・クデイ現地説明会の10年(丸井雅子)
・「見た目」のわるい遺跡を保存する――観光資本にならない遺跡の調査と保存活動(田畑幸嗣)
・カンボジアにおける遺跡エンジニアリング――タイ、インドにおける適用事例と共に(遠藤宣雄)
・遺跡保存とアイデンティティー――東北タイにおける観光を通した「語り」(田代亜紀子)
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編者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
石澤良昭…いしざわ・よしあき/上智大学学長
丸井雅子…まるい・まさこ/上智大学外国語学部アジア文化研究室准教授