「市場社会とは何か」をテーマに欧米の代表的な経済思想家を取り上げ、彼らはどのような資本主義観を展開していたのか、自由や正義をどのように考えていたのか、先人の経済思想史の重要性を説く1冊です。
目次
序/平井俊顕
1 市場社会の特性を探る
・職分・正義・共通善――トマス・アクィナス/桑原光一郎
・経済発展と不平等――ヒュームとスミス/新村聡
・市場・国家・アソシアシオン――ワルラス/高橋聡
・知識・組織・潜在能力――マーシャル/藤井賢治
2 社会主義経済計算論争参加者の批判的思考
・進化論的・社会的合理主義――ミーゼス/尾近裕幸
・法人資本主義論――ハイエク/江頭進
・社会主義の合理的存立可能論――ランゲとドッブ/塚本恭章
・リベラル・インターナショナリズム批判――ポラニーとシュンペーター/中山智香子
3 ニュー・リベラリズム的展開
・古典的自由主義の修正と資本主義分析――グリーンとホブソン/八田幸二
・市場社会の悪弊とその除去――ケインズおよび彼の同僚/平井俊顕
・福祉国家の唱道――ミュルダール/藤田菜々子
・「自由主義」の変容――クラークとナイト/佐藤方宣
・「連邦主義」にみる自由主義――ロビンズとベヴァリッジ/小峯敦
終章 市場社会論と経済理論の関係――試論/平井俊顕
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編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
平井俊顕…ひらい・としあき/上智大学経済学部教授