地方公共団体が当事者となっている行政・民事の裁判例(地方自治判例)を収録。
重要判例には解説等を登載。
あわせて、連載講座や訴訟情報など実務記事も多数収録。
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連載・記事
○はんれい最前線
PFI事業者と締結した契約の変更を専決処分、議会が否決で住民訴訟
弁護士 藤原孝洋/神戸市 古田 隆
○自治体法務の風を読む
第84回 個人情報開示請求の今後
神戸市こども家庭センター児童福祉法務専門官 紅山綾香
○市町村アカデミー・コーナー
住民監査請求と住民訴訟①
弁護士 元氏成保
○法律相談
公共の用に供する道路の該当性判断
弁護士 古川健太郎
○訴訟情報
東京五輪選手村用地低額売却賠償訴訟――価格は適正――東京地裁判決ほか
判決紹介
<自治一般>
〇公文書非公開処分取消請求事件・豊島区
住民監査請求に基づく監査の結果において引用した民事訴訟の判決書の写しを全部非公開とする旨の決定が不適法であるとして取り消された事例
〔東京地令和3年1月15日判決〕
<労 働>
〇懲戒免職処分及び退職金等不支給処分取消等請求事件・東京都
非違行為があったとして懲戒免職処分及び退職金等不支給処分を受けた元高校教員である原告が、各処分の取消しを求めるとともに、管理職の職員が同教員の過酷な勤務実態を認識しながら人員補充等の措置を講じなかったことによりうつ病及び双極性障害に罹患したとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の損害賠償の支払が求められた事案において、①懲戒免職処分の取消しを求める部分につき、審査請求前置の要件(行政事件訴訟法8条1項ただし書)を充足していない不適法なものであるとして却下され、②退職金等不支給の取消しを求める部分につき、社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱し、又はその濫用をした違法があったということはできないから、取り消すべき違法性はないとして棄却され、③損害賠償の支払を求める部分につき、管理職の職員が原告の過酷な職務環境を改善するための人員補充等の方策をとるべき職務上の義務があったということはできず、国家賠償法1条1項適用上の違法性を認めることはできないとして棄却された事例
〔東京地令和2年12月11日判決〕
<教育・文化>
◎委託料返還請求住民訴訟控訴事件・京都市
京都市が芸能事務所に業務委託料を支払ったことについて、京都市の住民が委託契約は違法かつ無効であると主張して、京都市長らに対し損害賠償請求をすることなどを求めた住民訴訟の控訴審において、業務委託契約に違法はないとして請求を棄却した原審の判断が維持された事例
〔大阪高令和3年10月27日判決〕
<環境・衛生>
〇納骨堂経営許可処分取消請求事件・大阪市
1 納骨堂周辺に居住又は通勤若しくは不動産を所有する者は、墓地、埋葬等に関する法律10条1項に基づいてされた納骨堂経営許可処分の取消訴訟の原告適格を有しない。
2 納骨堂周辺に居住又は通勤若しくは不動産を所有する者は、墓地、埋葬等に関する法律10条2項に基づいてされた納骨堂経営変更許可処分の取消訴訟の原告適格を有しない。
〔大阪地令和3年5月20日判決〕
<厚 生>
〇各指定取消処分等取消請求事件・高槻市
訪問介護に係る指定居宅サービス事業者、介護予防訪問介護に係る指定介護予防サービス事業者、指定障害福祉サービス事業者及び指定居宅介護支援事業者の各指定を取り消した処分等が適法であると判断された事例
〔大阪地令和3年3月26日判決〕
<道 路>
〇みなし道路指定の義務付け請求事件・さいたま市
さいたま市内に土地を所有している原告らが、さいたま市長に対し、建築基準法42条2項所定の個別指定の方法によるみなし道路指定の義務付けを求めた訴訟において、訴えは適法であるが本案要件を充足しないとして、請求が棄却された事例
〔さいたま地令和3年1月27日判決〕
<産 業>
〇公有地貸付契約等差止請求住民訴訟事件・横浜市
横浜市が所有する土地を特定複合観光施設(IR)の用地にするために民間事業者に対し貸与し又は払い下げる契約を締結することの差止めを求めた住民訴訟において、契約が締結される可能性が具体性を備えているということはできず、適法な監査請求を前置したものとはいえないとして、訴えが却下された事例
〔横浜地令和3年2月24日判決〕
判決概要紹介
<税 務>
○国家賠償請求事件・東京都
〔東京地令和2年3月18日判決〕