地方公共団体が当事者となっている行政・民事の裁判例(地方自治判例)を収録。
重要判例には解説等を登載。
あわせて、連載講座や訴訟情報など実務記事も多数収録。
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連載・記事
○新春巻頭言
訴訟のデジタル化と国や地方公共団体を当事者とする訴訟について
法務省訟務局長/春名 茂
○はんれい最前線
コロナ感染防止対策に奮闘中の時短命令に違法の判断
弁護士 奥宮京子/元川崎市 高橋哲也
○自治体法務の風を読む
第106回 自治体における行政対象暴力等・カスタマーハラスメントへの組織的対応
弁護士(元岐阜市特定任期付職員) 安田和広
○法律相談
理由の提示に不備がある処分に対する審査請求に対する審理員審理のあり方
弁護士 濱 和哲
○訴訟情報
1日24時間重度訪問介護サービス支給請求訴訟――1日22時間以上のサービス支給命令――千葉地裁判決ほか
判決紹介
<議 会>
◎議会出席停止に係る損害賠償請求控訴事件・石巻市
Y市議会が本会議において市議会議員Xに対して8日間の出席停止懲罰を科したことは、懲罰対象行為の一部につき事実上の基礎を欠き、一部の行為については評価が著しく不当で、懲罰内容も不相当に過重であり、裁量権の範囲を逸脱・濫用したものであり、当該懲罰の事実を記載した「議会だより」を市の全戸に配布したことはXの名誉を毀損したもので、いずれも違法であるとして、Yに国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を認めた事例
〔仙台高令和4年6月1日判決〕
<財 政>
◎公費によるセンチュリー購入に関する住民訴訟控訴事件・山口県
県が貴賓車としてトヨタセンチュリーを購入したことが違法であると主張して、当時の知事に損害賠償請求するよう求めた住民訴訟の控訴審において、トヨタセンチュリーの購入は適法であるとして、購入が違法であるとした原判決が取り消され、住民の請求が棄却された事例
〔広島高令和5年5月10日判決〕
<労 働>
◎退職手当支給制限処分取消請求控訴事件・小諸市
市の職員であった被控訴人が酒気帯び運転をしたため、市長から懲戒免職処分及び退職手当支給制限処分を受けたことについて、退職手当支給制限処分の取消しを求めた訴訟の控訴審において、退職手当支給制限処分は裁量権の範囲を逸脱した違法なものであるとした原審の判断が維持された事例
〔東京高令和4年1月14日判決〕
<厚 生>
〇生活保護廃止決定処分取消請求事件・山陽小野田市
生活保護を受けていた原告が、同居する二男が就労収入を得ていたことを知りながら申告しなかったことを理由として生活保護廃止処分を受けたことから、廃止処分の取消しを求めた訴訟において、廃止処分は裁量権を逸脱又は濫用したものであるとして、処分が取り消された事例
〔山口地令和4年10月19日判決〕
<都市計画>
〇業務委託契約に関する住民訴訟事件・鎌倉市
市が締結した調査業務委託契約に基づき委託業者が提出した成果品が不十分であり、委託契約が解除されるべきであるのに支出命令をしたことが違法であると主張して、市長に対し支出相当額の損害賠償を請求するよう求めた住民訴訟において、委託契約の本旨に従った履行がされているとして請求が棄却された事例
〔横浜地令和4年3月9日判決〕
<建 築>
◎指名停止措置等に関する損害賠償請求控訴事件・渋川市
市から運動場の造成工事を請け負った業者が、市の行った記者会見において業者による工事には重大な瑕疵があると発表され、さらに、指名停止1年間の措置を講じられたことが違法であると主張して損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、損害額が原審よりも増額された事例
〔東京高令和3年12月21日判決〕
<道 路>
◎県道の倒木事故に関する損害賠償請求控訴事件・熊本市
県道沿いの私有地に生育していた樹木が県道に倒れ、県道を走行していた自動車に直撃して運転手が死亡した事故に関し、運転手の遺族が県道を管理していた熊本市等に損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、熊本市には県道の設置又は管理の瑕疵があるとした原審の判断が維持された事例
〔福岡高令和4年1月28日判決〕
判決概要紹介
<厚 生>
○居宅介護サービス費等返還に係る損害賠償請求事件・高槻市
〔大阪地令和3年11月4日判決〕