地方公共団体が当事者となっている行政・民事の裁判例(地方自治判例)を収録。
重要判例には解説等を登載。
あわせて、連載講座や訴訟情報など実務記事も多数収録。
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連載・記事
○はんれい最前線
両親のうち身体的・心理的虐待をしていない方の親に対する面会制限は違法?
弁護士・博士(医学) 楠井嘉行/三重県四日市県税事務所・博士(会計学) 𠮷田尚史
○自治体法務の風を読む
第103回 指定管理のモニタリング
神戸市行財政局法務支援専門官(弁護士) 稲田 優
○法律相談
土地改良区の用水路の一部の目的外使用契約の解約について
弁護士 山村恒年
○訴訟情報
山梨県有地の業者との賃貸借契約は無効とはいえない――東京高裁判決ほか
判決紹介
<自治一般>
〇公文書一部非公開決定処分取消請求事件・高槻市
高槻市に住所を有する原告が、高槻市が市所有の土地上に建物を所有する者に使用料相当額を請求したことに関する公文書の公開を求めたところ、一部を非公開とする旨の決定を受けたため、非公開とした部分の取消しを求めた訴訟において、非公開部分は部分公開すべきであるとして請求が認容された事例
〔大阪地令和3年9月16日判決〕
<議 会>
〇市議の発言についての損害賠償請求事件・鎌倉市
鎌倉市議の市議会及びSNSにおける発言によって、労働組合の職員である原告の名誉が毀損されたとして、鎌倉市に対し、国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償の支払が命じられた事例
〔横浜地令和3年12月24日判決〕
<財 政>
〇市民体育センター建築工事費支出差止請求事件・彦根市
市民体育センター整備事業に関する支出が行われると市に回復し難い損害が発生すると主張して支出の差止めを求めた住民訴訟において、市民体育センターの建設が市の近い将来の財政破綻をもたらすとはいえないとして差止請求が棄却された事例
〔大津地令和4年2月15日判決〕
<税 務>
◎特別地方交付税の額の決定取消請求控訴事件・国・泉佐野市
1 地方交付税法の仕組みや目的等に照らすと、地方団体が国から法律の定めに従い地方交付税の分配を受けることができるか否かに関する紛争は、国と地方団体が、それぞれ行政主体としての立場に立ち、地方団体全体が適正に行政事務を遂行し得るように、法規(地方交付税法)の適用の適正をめぐって一般公益(地方団体全体の利益)の保護を目的として係争するものというべきである。
2 被控訴人泉佐野市の提起した訴えが、行政主体として法規の適用の適正をめぐる一般公益の保護を目的として提起したものであって、自己の財産上の権利利益の保護救済を目的として提起したものと見ることはできないから、裁判所法3条1項にいう「法律上の争訟」には当たらないとされた事例
〔大阪高令和5年5月10日判決〕
<教育・文化>
〇いじめ対応に関する損害賠償請求事件・川口市
市立中学生のいじめをめぐる市の教育委員会の対応が、重大事態の発生を認知すべきであったにもかかわらず、重大事態としての調査を怠り、また、中学校の教諭らに対する指導を行わなかったから、職務上の義務に違反すると判断された事例
〔さいたま地令和3年12月15日判決〕
<環境・衛生>
〇産業廃棄物処理施設の設置許可処分の取消請求事件・岐阜県
県知事による産業廃棄物処理施設の設置に係る許可処分が廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則12条の2の3第2号所定の経理的基礎に係る許可要件を満たしておらず違法であるとして取り消された事例
〔岐阜地令和4年5月16日判決〕
<厚 生>
〇生活保護申請却下決定の通知方法等に関する国家賠償請求事件・西都市
市の社会福祉事務所の職員が、親族による身体的・経済的虐待を受けていた生活保護申請者に対し、同じく虐待を受けていた世帯員が定期貯金を有することを理由に生活保護申請を却下する旨の通知を行うに当たり、あえて虐待を行っていた親族を同席させて、定期貯金の存在及び内容を告知したことは、公務員として職務上尽くすべき注意義務を怠ったもので国家賠償法上、違法であると判断された事例
〔福岡高宮崎支令和4年11月9日判決〕
判決概要紹介
<警 察>
◎運転免許取消処分に係る損害賠償請求控訴事件・東京都
〔東京高令和3年10月28日判決〕