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スクールリーダーの資料室 Education 2030 OECD Education 2030プロジェクトについて(日本語仮訳) 2018年2月 OECD(経済協力開発機構)

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2020.02.07

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Education 2030
OECD Education 2030プロジェクトについて(日本語仮訳)
2018年2月 OECD(経済協力開発機構)

『学校教育・実践ライブラリ』Vol.7 2019年11月

 OECD(経済協力開発機構)は、2018年2月、2030年の教育のあり方を展望する「Education 2030」の概要をまとめた。

 これは、2030年という近未来には、世界全体があらゆる分野での変革が予想されることを踏まえ、この不確定な新たな時代に、どのような教育が必要かをOECD加盟国で考えていく枠組みを示したものである。

 ここでは、「新たな価値を創造する力」「対立やジレンマを克服する力」「責任ある行動をとる力」の3つの力の育成が必要とされている。

 「新たな価値を創造する力」では、「他者との協働により既存の知識から新しい知識を生み出すことを通して」イノベーションが引き起こされるとし、適応力、創造力、好奇心、新しいものに対して開かれた意識などが必要とした。

 「対立やジレンマを克服する力」は「矛盾した考えや相容れない考えや論理、立場についても、それらの相互のつながりや関連性を考慮しながら(中略)より総合的な形で考え行動していく」学習が必要とし、システム的な思考の育成を求めた。

 「責任ある行動をとる力」では、「自分の仕事や成果物について責任をとることを必要とする」とし、自己を振り返ったり、評価したりしながら、倫理的に行動する自己調整の力を示した。

 これら3つの力を「変革を起こす力のあるコンピテンシー」と位置付け、若者が革新的で、責任があり、自覚的であるべきという強まりつつあるニーズに対応するものとしている。

 「新たな価値を創造する力」は知識・技能の創造を、「対立やジレンマを克服する力」では、かかわりの中で発揮される思考力・判断力・表現力を、そして「責任ある行動をとる力」では、倫理性と自己調整の力を発揮した、学びに向かう力・人間性を求めていると読むことができる。

 本文書には、子供たちが将来を見通して発揮すべき力として「エージェンシー」という言葉が登場する。

 文部科学省によると、OECDが唱える「エージェンシー」とは、「自ら考え、主体的に行動して、責任をもって社会変革を実現していく力」とし、具体的に「将来的な目標を見据える力」「批判的思考力」「現状に疑問を持つ力」などを挙げている。

 本文書では、社会参画を通じて人々や物事、環境がよりよいものとなるように影響を与えるという責任感をもっていること」を含むとし、「進んでいくべき方向性を設定する力や、目標を達成するために求められる行動を特定する力を必要とする」と述べている。

 そのために「教育者は、学習者を取り巻く教師、仲間たち、家族、コミュニティなど、子供たちの学習に影響を与えている幅広い関係性を認識する必要がある」として、「社会に開かれた教育課程」を想起させる文言が盛り込まれた。

 この文書は、教育が変わっていくための国際的な取組を要約したものであり、今後は、国・地方の教育行政、学校現場、保護者・地域、研究者、様々な職業団体や産業界、国際社会や国際機関が、今回示した学習の枠組みが実現され、強化される取組をそれぞれの立場で執り行っていくことを求めた。

 いずれにしても、この文書を通して、日本の教育が今、国際的な潮流の中で進められていることが分かる。

 学校管理職をはじめ、学校関係者には、よりグローバルな視点から、カリキュラム・マネジメントを行っていくことが求められている。(編集部)

OECD Education 2030プロジェクトについて

 OECD(経済協力開発機構)では、2015年からEducation 2030プロジェクトを進めてきました。このプロジェクトは、2030年という近未来において子ども達に求められるコンピテンシーを検討するとともに、そうしたコンピテンシーの育成につながるカリキュラムや教授法、学習評価などについて検討していくものです。今年は、本プロジェクトの第一期の最終年度に当たりますが、最終報告を前にして、OECDにおいて、本プロジェクトのポジション・ペーパーが公表されました。これは、Education2030プロジェクトにおけるこれまでの成果を簡潔にまとめた中間的な概要報告に当たるものです。

 我が国は、2015年のプロジェクト開始当初からこのプロジェクトに参加し、国際的なコンピテンシーの枠組み設計やカリキュラムに関する議論に積極的に貢献してまいりました。本プロジェクトにおける議論や研究の成果を、学習指導要領改訂の議論において参照するとともに、我が国が伝統的に大切にしてきた「知・徳・体」の育成を通じた全人的な人間形成の考え方などについての提案を行うなど、これまでの国際的な議論において重要な役割を果たしてきたところです。その意味では、本文書は、OECDが策定したものというよりは、日本を含む各国がOECD、そして各国の専門家や学校のネットワークと共同で作り上げたものと言えるでしょう。

 この度、文部科学省において、専門家等の協力を得て仮訳を作成しましたので、ここに公表いたします1。なお、今後の議論や研究の進展等を踏まえて、訳出を変更する可能性がありますので、ご了承ください。

文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室

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