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教職 その働き方を考える

高野敬三

教職 その働き方を考える[第5回]学校における職員会議について

NEWトピック教育課題

2019.10.17

教職 その働き方を考える

[第5回]学校における職員会議について

『リーダーズ・ライブラリ』Vol.5 2018年8月

●本稿のめあて●
各学校で行われている職員会議についての法的根拠を明らかにするとともに、その意義について詳解します。また、学校の教員の多忙化という視点から、職員会議の在り方や持ち方についても、その簡素化の視点から提言します。

明海大学副学長 高野敬三

学校における職員会議とは

 校種の違いによらず、どこの学校にも職員会議というものがあります。いつから職員会議を定例的に開催するようになったかは定かではありませんが、すべての教員が一堂に会して、学校のことについて語る会議はかなり早くから学校文化に定着してきたものと考えます。だいたいは、特定の曜日のある時間帯にこの会議を置いているようです。会議の内容は多岐に亘っており、校長からの校務に関する指示、教育委員会からの通知等の徹底、各分掌からの報告・協議などがその主たるものです。筆者も都立高校の教員となって赴任した学校で、こうした職員会議というものを経験しました。当時の職員会議といえば、始まったら長時間を覚悟しなくてはならず、会議終了後に学習指導や部活指導などを行うことができるような状況ではありませんでした。

 不思議なことに、この職員会議は、つい15年ほど前には、その法令上の規程はありませんでした。そして、この法令上の規程がないことが要因で、学校管理職と教員との間で不毛な対立を生んできたことも事実です。この職員会議を最高議決機関であると主張する教員が、校長の学校経営の方針を認めず、数の論理で校長の意思を否定することが多くの学校でありました。

職員会議の法的根拠

 国は、中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」(平成10年)を踏まえて、平成12年に学校教育法施行規則を一部改正して施行しました。ここで初めて、職員会議について規則上明文化しました。第23条の2(現在では、第48条)第1項で、「小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる」、第2項で「職員会議は、校長が主宰する」として、法的位置付けを明確にしました。なお、中学校や高校などのその他の校種においても準用されています。これにより、職員会議は学校の管理運営に関する校長の権限と責任を前提として、校長の職務の円滑な執行を補助する機関として位置付けられ、職員会議が校長の補助機関であることを明らかにしました。また、校長が主宰することを明らかにしたことにより、校長が職員会議について必要な一切の処置をとる権限があり、校長自らが職員会議を管理運営することとなりました。

 なお、大学には、「教授会」というものがありますが、この教授会についても、国は、平成26年に学校教育法を改正(平成27年4月施行)して、大学運営における学長のリーダーシップの確立等のガバナンス改革を促進するため、教授会に関する規程を改正しました。教授会は、学長が教育研究に関する重要な事項について決定を行うに当たり意見を述べたり、学長及び学部長等がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長及び学部長等の求めに応じ、意見を述べることができることとして、決定権者である学長を束縛することはできないようにしました。

職員会議の意義

 校長を中心に職員が一致協力して学校の教育活動を展開するため、学校運営に関する校長の方針や様々な教育課題への対応方策についての共通理解を深めるとともに、幼児児童生徒の状況等について担当する学年・学級・教科を越えて情報交換を行うなど、職員間の意思疎通を図る上で、職員会議には重要な意義があります。具体的には、校長が職務を円滑に執行するため、学校の教育方針、教育目標、教育計画、教育課題への対応方策等について所見を披瀝して、所属職員に理解させるとともに、職員の意見を聞く場として、職員会議が行われています。

 ここまで、職員会議の法的根拠や意義について述べてきましたが、本当にすべての教員が集まり定例的に会議を行う必要があるのでしょうか? 企業では、部署ごとの会議はあるとしても、企業会議と称してすべての社員が集まる定例的な会議というものはないはずです。そもそも、法令上も、「職員会議を置くことができる」としており、いわゆる、「できる規程」となっております。さらには、国が省令改正をした折に説明していた内容には、法的位置付けとともに、こうした職員会議以外に、学校の実態に応じて企画委員会や運営委員会等を積極的に活用するなど、組織的、機動的な学校運営に努めることを示していました。

 東京都では、平成18年4月に、教育長名で各都立学校の校長に対して、「学校経営の適正化について」(通知)を発出して、校長、副校長、経営企画室(課)長と各部主任、各学年主任、各学科主任等で構成される企画調整会議、いわゆるBoard Meetingを週1回開催することを義務付けました。これにより、企画調整会議を中心とした学校経営に基軸を変更しました。また、この通知では、職員会議を開催する場合であっても、校長の意思決定を束縛する教員の「挙手」「採決」を行わないこととしました。

職員会議の持ち方の工夫

 多忙な先生方にとっては、こうした会議の多さが課題となることは間違いありません。これまで述べてきたように、会議の精選を図ることが大切です。このような視点から、次のような方策について考えていく必要があります。

① 職員会議の開催については、毎週1回とか隔週1回という規定を改め、月1回、あるいは、学期の最初と最後、それぞれ1回とする。

② 職員会議の開催については、学校の授業時間単位である50分として、それ以上長い会議とはしない。

③ 職員会議は開催せず、東京都のように、Board Meetingで学校経営を議論する。議論した内容については、Board Meetingのメンバーが他の教員に周知する。

④ 職員会議の報告・連絡事項は、ICTが普及しているので、校務用パソコンで閲覧することとして、資料の印刷は行わない。

 

Profile
明海大学副学長
高野敬三

たかの・けいぞう 昭和29年新潟県生まれ。東京都立京橋高校教諭、東京都教育庁指導部高等学校教育指導課長、都立飛鳥高等学校長、東京都教育庁指導部長、東京都教育監・東京都教職員研修センター所長を歴任。平成27年から明海大学教授(教職課程担当)、平成28年度から現職、平成30年より明海大学外国語学部長、明海大学教職課程センター長、明海大学地域学校教育センター長を兼ねる。「不登校に関する調査研究協力者会議」委員、「教職課程コアカリキュラムの在り方に関する検討会議」委員、「中央教育審議会教員養成部会」委員(以上、文部科学省)を歴任。

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