地方公共団体が当事者となっている行政・民事の裁判例(地方自治判例)を収録。
重要判例には解説等を登載。
あわせて、連載講座や訴訟情報など実務記事も多数収録。
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○はんれい最前線
バイオマス事業破たんで補助金分の損失の引き受け手はどこに
弁護士 藤原孝洋/神戸市 古田 隆
○自治体法務の風を読む
第71回 情報公開制度の濫用
弁護士・三鷹市法務監 桜井淳雄
○市町村アカデミー・コーナー
行政法の基礎―行政上の実効性確保②
横浜国立大学准教授 板垣勝彦
○法律相談
市道へのブロック塀の設置
弁護士 中村健人
○訴訟情報
生活保護受給者の通院交通費請求訴訟――那覇地裁ほか
判決紹介
特 報
◎市議会議員出席停止処分取消請求事件・岩沼市
普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は、司法審査の対象となる。
〔最高(大)令和2年11月25日判決〕
<教育・文化>
◎市所有建物の解体工事に関する公金支出等差止請求控訴事件・松江市
市が所有する建物の解体工事に関し、同工事の文化財保護法違反等を主張して、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、同工事に関する公金の支出等の差止めを求めた住民訴訟につき、同解体が文化財保護法等に反し違法であるとはいえず、同工事に関する市の判断に裁量権の逸脱濫用があったとは認められないとして、住民らの請求を棄却した原審の判断が、控訴審においても維持された事例
〔広島高松江支令和元年10月28日判決〕
<環境・衛生>
◎風致地区内行為許可処分取消請求事件・神奈川県葉山町
葉山町長がした風致地区内行為許可処分が違法であると主張して、風致地区内に居住する原告らが許可処分の取消しを求めた訴訟において、原告らは処分の取消訴訟における「法律上の利益を有する者」であるとは認められないとして、原告らの訴えが却下された事例
〔横浜地令和元年12月25日判決〕
<厚 生>
○犯罪被害者の同性パートナーによる遺族給付金不支給裁定取消請求事件・愛知県
原告が犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律所定の遺族給付金の支給をしない旨の裁定を受けた当時の我が国においては、同性間で交際している者が共同生活を営む関係が婚姻関係と同視し得るものであるとの社会通念が形成されていたということはできないという事実関係の下においては、同性の犯罪被害者と交際し共同生活を営む関係にあった者が、同法5条1項1号にいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に当たると認めることはできない。
〔名古屋地令和2年6月4日判決〕
<土 地>
◎道路新設工事に係る事業認定無効確認等請求事件・東京都・世田谷区
東京都知事がした道路の新設工事に係る事業の認定が無効であるとして、事業地内に土地を所有していた控訴人が事業認定の無効確認等を求めた訴訟の控訴審において、事業認定が無効であるとはいえない等とした原審の判断が維持された事例
〔東京高令和元年9月18日判決〕
<都市計画>
◎第一種市街地再開発事業に関する都市計画決定取消等請求控訴事件・中央区
都市計画法12条の4第1項4号に基づく第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定、同項1号に基づく地区計画の変更決定及び同法8条1項3号に基づく高度利用地区の変更決定が抗告訴訟の対象となる処分に当たらないとされた事例
〔東京高令和2年7月2日判決〕
判決概要紹介
<税 務>
◎固定資産評価額決定に関する国家賠償請求控訴事件・鶴ヶ島市
〔東京高令和元年9月12日判決〕