実践・カリキュラムマネジメント講座
学校マネジメント
2019.07.29
カリキュラムマネジメント分析シートの記入例
〈左側「目標設定・共有(ア)」の記入例〉
○児童・生徒の実態を具体的に把握し、学校課題を明らかにした上で目標を設定している。
○目標は、「子どもにつけたい力」「めざす子どもの姿」として具体的に記述されている。
○総合的な学習の時間は、学校教育目標と連動している。
○教職員全員が校長が示す重点目標を理解し、自分の言葉で説明できる。
○学校教育目標は、毎年、検討している。
▲教育目標は長年同じで、新しい時代を見据えた検討が行われていない。
▲目標が、教職員や児童生徒の目につくところに掲示されていない。
〈右側「目標実現化(ア)」の記入例〉
○学期ごとに確認している数値目標の達成度が向上してきている。
○目標に近づいている子どもの姿を文章で書き残している。
○目標に無理があると判断したときは、話し合いの上、修正をすることもある。
▲目標自体が抽象的なため、実現状況が測りにくい。
▲目標の達成について、教職員はあまり意識していない。
〈P段階(イ)の記入例〉
○「前年度と同じ」は無し。担任のアイデアを前面に出している。
○総合的な学習の時間を中心に、各教科・領域との関連を明らかにした年間指導計画表を作成している。
○小中連携(9年間のスパン)で系統性ある計画を立てている。
▲NOPLAN。一番の問題点。具体的方針がないために、Dにつながらない。
▲去年と同じままの年間指導計画。
▲担当者に一任されていることにより、全員での検討が不十分である。
〈D段階(イ)の記入例〉
○児童に「授業の約束」を徹底している。
○生徒がかかわり合い学び合う授業を実践している。
○生徒が中心の授業や行事の実施。
○毎年の全開研の実施、外部の意見を積極的に聞く。
○一人一度は授業研究を行う。
▲「こなす」ことで精一杯である。
▲先生方のがんばりが個々のものになっており、ベクトルが合わない。
▲計画通りに進められないときが多い。
▲なんでも先生中心の活動になりがち。
〈C段階(イ)の記入例〉
○重点指導目標に関する評価、校務分掌に関わる評価、学校行事の評価、保護者の外部アンケート、生徒による授業評価。
○教員・児童・保護者のアンケート項目は、対応したものとしている。
○行事の評価は直後に行い、課題と改善策の申し送りをする。
▲型どおりの評価になっている。
▲項目のマンネリ化。
▲集計、分析に時間がかかる。
▲共通理解を図る話し合いが少ない。
▲評価のための評価になっている。
〈A段階(イ)の記入例〉
○すぐできることと計画することに分け、すぐできること、皆でできることを部会から教職員におろしている。
○改善に向けての校務分掌部会を開く。
○行事によっては1週間で改善プランを立てている。
○近隣大学からアドバイスをもらう。
○教育活動ごとに「来年度への提言」を作成して3月にまとめる。
▲プリントで配られるだけで、何もしない、忘れる。
▲具体的な改善策まで出てこない。
〈組織構造(ウ)の記入例〉
○外部テストの分析をする学習定着分析担当→研究部会内の分析担当→具体策出る。
○学習支援ボランティアのコーディネーター。
○職員旅行の際に、全員で先進校視察。
○放課後に時間のゆとりを生み、個別指導。
▲教科間の連携不足。
▲実は非効率的なのに続けている会議。
▲特定の人物に重要な分掌が集中。
▲スリム化が進まない。
▲研究推進委員会が授業研究そのものに集中しすぎて、子どもの学力向上に直結する指導に結びついていない。
▲若手が多いので、指導力向上が課題。
〈組織文化・学校文化(エ)の記入例〉
○子どもの成長を喜ぶ会話が多い。
○授業に対する姿勢は厳しく、わかる授業をめざすことで一致している。
○「子どもが自ら学ぶ」学校文化が伝統。
○校内サークル立ち上げなど、教師にチャレンジ精神がある。
○職員会議が定刻に始まるようになった。
○「目の前の子どもに向き合う」指導。
▲学年間の意識レベルの違いが大きい。
▲多忙感「これ以上はむり…」という声。
▲「自分のことで精一杯」な教師が多い。
▲保守的で新しいことに取り組みにくい。
〈リーダー(オ)の記入例〉
○校長のぶれない基本方針。
○教務主任主導+校長の全面的バックアップ。
○研究部:資料提供、時間を守った研修。
○校長:個々への役割・責任を与え、特に若手を任用して育てる。
○相談しやすい管理職。
○授業を参観し助言をくれる管理職。
○新しい発想をもちこんだ「学力担当者」。
▲校長の多忙化(出張が増えた)。
▲リーダー間で責任の所在があいまい。
▲教務主任:年上の教職員が多く、十分なリーダシップを発揮しにくい。
〈学校外部(カ・キ)の記入例〉
○学校だよりを活用して観点を絞っての評価情報を発信している。
○家庭学習ノートへの保護者のコメント依頼。
○スクールボランティア、ゲストティーチャー等の協力で授業が充実。
○市作成の「新評価規準」をもとに、年間カリキュラムを整備した。
○市の協力で「特別予算」がつき実践開発。
○外部講師・指導主事による指導の充実。
○異校種(幼小中等)の交流を活かす。
▲子どもに無関心な保護者への対応に苦慮。
▲支援員が必要だが予算が不足。