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ユーモア詩でつづる学級歳時記

増田修治

ユーモア詩でつづる学級歳時記[第11回]

NEW特別支援教育・生徒指導

2020.11.25

ユーモア詩でつづる学級歳時記[第11回]

白梅学園大学教授 増田修治

『学校教育・実践ライブラリ』Vol.11 20203

笑顔で子どもを育てる秘訣が満載!子どものココロが見えるユーモア詩の世界 親・保護者・教師のための子ども理解ガイド』(ぎょうせい、2020年9月刊)の著者 増田修治氏が、埼玉県の小学校教諭時代から長年取り組んできた「ユーモア詩」。珠玉の75編と増田氏の的を射たアドバイスは、笑いながら子どもの思い・願い・成長が理解でき、今日からの子育て、保育、教育に生かせること請け合いです。ここでは、『学校教育・実践ライブラリ』(2019-2020年)の連載「ユーモア詩でつづる学級歳時記」をご紹介します。(編集部)

■今月の「ユーモア詩」

肉とりじいさん
辻村 綾乃(6年)

私は幼稚園のころ、
「こぶとりじいさん」
という本を読んだ。
鬼が良いおじいさんのこぶを
取るというお話だった。
私も鬼に、
でっかい体の肉をとってほしい。

■ダイエットの危険性を考える

 高学年ともなると、自分の容姿が気になる年齢です。スリムな体型は美しさ・健康の象徴と考える女性が増えています。「やせてきれいになりたい」という願望から、最近は中学生や高校生に限らず、小学生にまでダイエット志向が強くなっているそうです。

 実際に、「国民健康・栄養調査」によると、若年層のやせが増えておりBMI18.5以下の低体重の割合が20年間で2倍に増加しています。

 思春期は、身体も心も大きく成長する大切な時期です。この時期に無理なダイエットをしてしまうと、将来に大きな影響があります。断食や厳しい食事制限を急激に行うと、成長期の身体は栄養を蓄えるどころか失うことになります。思春期はまだ成長の真っ最中です。そのため、栄養は骨、筋肉、臓器、脳など身体の全ての部分を作るのに使われます。特にホルモンは、脂肪をもとに構成されているため、脂肪を極端に制限するダイエットは大変危険なのです。

 しかし、目の前のことを気にしてダイエットをしてしまう高学年の女子が、少なからずいます。無理なダイエットによって体重の15〜20%痩せてしまうと、脳は生命の危機を感じ、生命維持に関係のない機能はストップさせて、エネルギーを節約するのです。生殖機能は生命維持に関係ないので、性線刺激ホルモンが出なくなり生理が止まってしまうことがあります。また排卵をさせるエストロゲンの分泌が止まり、妊娠しづらくなってしまうという可能性が出てきます。

 私の知っている6年生の女子児童は、体重を急激に減らした影響で、体調を崩し、「命の危険がある」ということで、緊急入院しました。ダイエットしている高学年の女子の対応は、とても難しいものになっています。

■3月の学級づくり・学級経営のポイント

短所を長所に変える!

 綾乃は、素直で笑顔がとても素敵な子です。ニコニコしているのを見ると、こちらまで癒されるようでした。ただ、この詩にあるように少し太めの女の子で、それが悩みのようでした。

 ダイエットしようとしていたようですが、
「目の前のケーキの誘惑には負けてしまうんだよね!」
と言っていました。私は、
「そうだよ、今のままでいいと思うよ。君の笑顔がなくなる方がイヤだな」
と伝えていました。

 そんなときに出てきたのが、この詩です。私は、思わず大笑いしました。こんなにあっけらかんと自分が太めであることを詩にしたことに、驚いてしまいました。

 この詩は、クラス全員に大きな影響を与えました。綾乃に対して、「太っているよね」という目で見ていた男子児童が、「綾乃のあっけらかんとした所がすごいよなぁ」という目に変わりました。また、もともと女子の中で人気のあったのですが、ますます人気が出ました。

 なんといっても大きかったのが、ダイエットブームが広がりつつあった女子の意識が変わったのです。短所を長所に変えるには、短所を客観的にとらえることが必要なのです。そんなことを考えさせてくれた綾乃の詩でした。

 

Profile
増田修治 ますだ・しゅうじ
1980年埼玉大学教育学部卒。子育てや教育にもっとユーモアを!と提唱し、小学校でユーモア詩の実践にチャレンジ。メディアからも注目され、『徹子の部屋』にも出演。著書に『話を聞いてよ。お父さん!比べないでね、お母さん!』『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『ユーモアいっぱい!小学生の笑える話』(PHP研究所)、『子どもが伸びる!親のユーモア練習帳』(新紀元社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)他多数。

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増田修治

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白梅学園大学教授

1980年埼玉大学教育学部卒。子育てや教育にもっとユーモアを!と提唱し、小学校でユーモア詩の実践にチャレンジ。メディアからも注目され、『徹子の部屋』にも出演。著書に『話を聞いてよ。お父さん!比べないでね、お母さん!』『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『ユーモアいっぱい!小学生の笑える話』(PHP研究所)、『子どもが伸びる!親のユーモア練習帳』(新紀元社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)他多数。

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