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NEWトピック教育課題

2019.08.28

幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)[抜粋]

平成28年12月21日 中央教育審議会

第2部 第2章 12.外国語

(2)具体的な改善事項

①教育課程の示し方の改善

ⅰ)資質・能力を育成する学びの過程についての考え方

〇 「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方」を働かせる学習過程に改善するため、育成を目指す「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の三つの資質・能力を確実に身に付けられるように改善・充実を図る必要がある。

〇 外国語教育における学習過程では、児童生徒が、㋐設定されたコミュニケーションの目的・場面・状況等を理解する、㋑目的に応じて情報や意見などを発信するまでの方向性を決定し、コミュニケーションの見通しを立てる、㋒対話的な学びとなる目的達成のため、具体的なコミュニケーションを行う、㋓言語面・内容面で自ら学習のまとめと振り返りを行うというプロセスを経ることで、学んだことの意味付けを行ったり、既得の知識や経験と、新たに得られた知識を言語活動へつなげ、思考力・判断力・表現力等を高めていったりすることが大切になる。

〇 言語活動を行う際は、単に繰り返し活動を行うのではなく、児童生徒が言語活動の目的や、使用の場面を意識して行うことができるよう、具体的な課題等を設定し、その目的を達成するために、必要な語彙や文法事項などの言語材料を取捨選択して活用できるようにすることが必要である。このような言語活動を通じて、児童生徒の学びに向かう力・人間性等を育成することが重要である。

〇 また、言語材料については、発達段階に応じて、児童生徒が受容するものと発信するものとがあることに留意して指導し、各学校段階等を通じて習得させていく過程が重要である。あわせて、小学校中学年の授業で扱われた語彙・表現や、高学年における文字の認識、語順の違いなどへの気付き等に関して指導した内容を、中学校の言語活動において繰り返し活用することによって、生徒が自分の考えなどを表現する際にそれらを活用し、話したり書いたりして表現できるような段階まで確実に定着させることが重要である。

ⅱ)指導内容の示し方の改善

〇 外国語教育において育成を目指す三つの資質・能力を踏まえ、小・中・高等学校を通じた領域別の目標、指導内容等について体系的に構造を整理する。この構造の中で、外国語教育において「主体的・対話的で深い学び」を推進する学習過程を繰り返し経るような改善・充実が図られる必要がある。

②教育内容の改善・充実

ⅰ)小学校の外国語教育における改善・充実

〇 これまでの成果と課題を踏まえて、中学年から「聞くこと」及び「話すこと」を中心とした外国語活動を通じて外国語に慣れ親しみ、外国語学習への動機付けを高めた上で、高学年から発達段階に応じて段階的に「読むこと」「書くこと」を加え、総合的・系統的に扱う学習を行うことが求められる。その際、これまでの課題に対応するため、新たに㋐アルファベットの文字や単語などの認識、㋑国語と英語の音声の違いやそれぞれの特徴への気付き、㋒語順の違いなど文構造への気付きなど、言語能力向上の観点から言葉の仕組みの理解などを促す指導を教科として行うために必要な時間を確保することが必要である(別添13-4)。

〇 このような方向性を目指し、小学校高学年において、「聞くこと」「話すこと」の活動に加え、「読むこと」「書くこと」を含めた言語活動を展開し、定着を図り、教科として系統的な指導を行うためには、年間70単位時間程度の時数が必要である。また、中学年における外国語活動については、従来の外国語活動と同様に年間35単位時間程度の時数が必要である。

ⅱ)中学校の外国語教育における改善・充実

〇 小学校で学んだ語彙や表現などの学習内容については、中学校の言語活動において、具体的な課題等を設定するなどして、意味のある文脈の中でのコミュニケーションを通して繰り返し触れ、生徒が必要な語彙や表現などを活用することができるようにすること、すなわち、様々な工夫をして言語活動の実質化を図り、生徒の言語運用能力を高めることが必要である。

〇 また、中学校では、生徒にとって身近なコミュニケーションの場面を設定した上で、学習した語彙や表現などを実際に活用する活動を充実させるとともに、高校との接続の観点から、外国語で授業を行うことを基本とするなど指導の改善を図る。

〇 あわせて、中学校では新たに「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」を測定する全国学力・学習状況調査の実施により、具体的な指導改善につながるPDCAサイクルを確立することが重要である。

ⅲ)高等学校における科目構成の見直し

〇 これまでの課題や高校生の多様化に対応するため、高等学校卒業段階で求められる「外国語を通じて、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりすることができる力」(必履修科目でCEFRのA2レベル相当、選択科目で同B1レベル相当を想定)を育成するため五つの領域を総合的に扱う科目として「英語コミュニケーション」を設定する。

〇 中学校で学んだことを実際のコミュニケーションにおいて運用する力を十分に身に付けていないといった課題のある生徒も含めた高校生の多様性を踏まえ、外国語で授業を行うことを基本とすることが可能な科目を見直す必要がある。また、必履修科目(特に学習の初期段階)において、中学校の学び直しの要素を入れることとする。

〇 外国語科の授業において言語活動の比重が低い現状を踏まえ、次期学習指導要領において設定する領域別の目標を実現するため、いかに言語活動を改善・充実していくかといった観点から科目の見直しを行う。このため、五つ領域の総合型の科目(必履修科目を含む)を核とし、発信能力の育成を更に強化するための科目として「論理・表現」(「発表、討論・議論、交渉」などにおいて、聞いたり読んだりしたことを活用して話したり書いたりする統合型の言語活動が中心)を設定する。あわせて、留学や進学などの目的に応じて高い英語力を目指す高校生もいるといった多様性を踏まえ、専門教科の科目構成を見直すとともに、学校設定科目などで対応できるようにする。(別添13-5を参照)

〇 また、高等学校においては、生徒や学校の多様なニーズを踏まえ、スーパーグローバルハイスクール等の成果を参考にしつつ、グローバルな視点で他教科等での学習内容等と関連付けて、外国語を用いて課題解決を図る力などを育成する言語活動の改善・充実を図る必要がある。

(中略)

③学習・指導の改善充実や教育環境の充実等

ⅰ)「主体的・対話的で深い学び」の実現

〇 外国語教育においては、質の高い学びに向けて、学びの過程を、相互に関連を図りつつ、改善・充実を図ることが必要である。そのような過程で外国語によるコミュニケーションを通じて、自分の思いや考えが深まったり更新されたりすることを児童生徒が認識し、自信を持つことができるような学習活動を設けることが重要である。

(「主体的な学び」の視点)_

・「主体的な学び」の過程では、外国語を学ぶことに興味や関心を持ち、どのように社会や世界と関わり、学んだことを生涯にわたって生かそうとするかについて、見通しを持って粘り強く取り組むとともに、自分の意見や考えを発信したり評価したりするために、自らの学習のまとめを振り返り、次の学習につなげることが重要である。このため、コミュニケーションを行う目的・場面・状況等を明確に設定し、学習の見通しを立てたり振り返ったりする場面を設けるとともに、発達の段階に応じて、身の回りのことから社会や世界との関わりを重視した題材を設定することなどが考えられる。

(「対話的な学び」の視点)

・「対話的な学び」の過程においては、他者を尊重した対話的な学びの中で、社会や世界との関わりを通じて情報や考えなどを伝え合う言語活動の改善・充実を図ることが重要である。このため、言語の果たす役割として他者とのコミュニケーション(対話や議論等)の基盤を形成する観点を資質・能力全体を貫く軸として重視しつつ、コミュニケーションを行う目的・場面・状況に応じて、他者を尊重しながら対話が図られるような言語活動を行う学習場面を計画的に設けることなどが考えられる。

(「深い学び」の視点)

・「深い学び」の過程については、言語の働きや役割に関する理解、外国語の音声、語彙・表現、文法の知識や、それらの知識を五つの領域において実際のコミュニケーションで運用する力を習得し、実際に活用して、情報や自分の考えなどを話したり書いたりする中で、外国語教育における「見方・考え方」を働かせて思考・判断・表現し、学習内容を深く理解し、学習への動機付け等がされる「深い学び」につながり、資質・能力の三つの柱に示す力が総合的に活用・発揮されるようにする。このため、授業において、コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じた言語活動を効果的に設計することが重要である。


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