月刊 ガバナンス 2024年10月号  特集1:公務職場のモラル・再考 特集2:組織と個人をつなぐ ワーク・エンゲージメント|地方自治、法令・判例のぎょうせいオンライン
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月刊 ガバナンス 2024年10月号  特集1:公務職場のモラル・再考 特集2:組織と個人をつなぐ ワーク・エンゲージメント

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編著者名
ぎょうせい
判型
A4変型
商品形態
雑誌・電子書籍
雑誌コード
13321-10
図書コード
7135001-24-100
8179040-24-100
ISBNコード
発行年月
2024/10
販売価格
1,320 円(税込み)

内容

●特集1 公務職場のモラル・再考

公選職の首長や議員だけでなく、自治体の組織、職員個人の問題は大小さまざま、いつの時代もなくなることはない。多くの人がSNSなどを使いこなすようになった昨今は、これまで以上に目立ちやすくなっている側面もあるだろう。だからこそ、組織、個人としてのモラルに対する理解を深めることや意識を向けることをやめてしまっては、正常な判断や組織運営がままならなくなってしまう。いかにモラルを守り、モチベーションやモラールを維持し、その先にいる住民からの信頼を高めることができるか、今月は考えてみたい。

■“地域人”としての自治体職員に求められるモラル~モラルを政策・マネジメント、そして信頼向上につなぐ

大杉 覚
東京都立大学法学部教授

地域にプライドを持ち、同僚をリスペクトし、そして自らの担当業務に熱意や誠意をもって当たる、自治体職員として真っ当な姿勢を揺るぎなく確立しようという意志を持ち続ける基本に忠実であること。地域人としての自治体職員に問われるモラルはこの点にこそ向けられるべきだろう。

■公選職のモラル・再考/新川達郎
政治家のモラルとは、内的な倫理規範として内在化され、それが発揮されていることが、政治家としての動機づけとなり、政治活動の行動規範となる。その一方では、法令や政治倫理基準等によって客観的に規制されているモラルや、社会的一般的に考えられている倫理規範によって外在的にモラルにつながっていくものがある。モラル違反が話題になるのは、これらの双方のモラルに反する行動が表面化するときといえる。

■踏みにじられる専門職非正規公務員のモラール/上林陽治
労働意欲や士気といった意味を表すモラールという言葉がある。モラールの高い公務職場は、個々の職員のパブリック・サービス・モチベーション(PSM)も高い。ひとのために役立つことが実感できる現場に従事している職員は、PSMが高く、離職しない。またその逆も真で、PSMが低くなった職員には離職ドライブがかかる。個々の職員のPSMが低下する中にあって、いまの公務職場はモラールが崩落した状態になりつつある。公務員人事管理を抜本的に改めることが必要なのだ。

■自分事としてのモラル/奥津茂樹
「モラル」とは各人の内心にある「良心」のことである。自戒を込めていうが、見て見ぬフリをするのではなく、人のフリ見て我がフリを直したい。一人ひとりの「モラルアップ」は組織と個人の内側を耕し、より働きやすい職場をつくるだろう。モラルとは自問することである。

 

●特集2 組織と個人をつなぐ ワーク・エンゲージメント

総務省によると、教員や警察などを除く一般行政職のうち、2022年度の自己都合退職者は1万2501人。13年度の5727人と比べ10年間で約2倍にも増えており、大きな課題となっています。そこで本特集では、職員が働きがいをもってポジティブに仕事を続けていくためのカギとなる「ワーク・エンゲージメント」について解説。エンゲージメントの高め方を、外的要因(周囲の環境:組織)と内的要因(自己の認識:個人)の両面から考えるとともに、自治体での導入事例もご紹介します。

■ワーク・エンゲージメントを高める職場環境とマネジメントのポイント/森田英一
■自らの手でつくる仕事との新しい関係──ジョブ・クラフティングのススメ/高尾義明
■〈取材リポート〉エンゲージメントを高めさらにチャレンジする市役所へ/千葉県君津市

 

キャリアサポート連載

■管理職って面白い!コーピング(ストレス対処法)/定野 司 ■「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ
「職場でOM」の意義と可能性②/後藤好邦
■誌上版!「お笑い行政講座」/江上 昇 ■〈公務員女子のリレーエッセイ〉あしたテンキにな~れ!/森川理恵 ■自治体DXとガバナンス/稲継裕昭 ■自治体職員なら知っておきたい!公務員の基礎知識/高嶋直人 ■今日から実践!すぐに役立つ!「公務員による研修」のススメ/鳥羽 稔 ■カスタマーハラスメント対策Q&A/関根健夫 ■HOLG presents 本当にすごい公務員!のココだけの話/市橋哲順 ■〈リレー連載〉Z世代ズム~つれづれに想うこと/佐々木 彩 ■ただいま開庁中!「オンライン市役所」まるわかりガイド/柳沼優子 ■地域の“逸材”を探して/寺本英仁

 

●巻頭グラビア

自治・地域のミライ
青野高陽・岡山県美咲町長
“賢く収縮するまちづくり”で将来を見据える

青野高陽・岡山県美咲町長(56)。義務教育学校を2校開校。「教育を整えるのは我々の役目」と話す。学力は県内でもトップレベルになってきたという。

 

取材リポート

□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
ゼロになった町で「原発」からの転換を仕掛ける【大熊町・起業家と進出企業】
原発事故、続く模索55
福島県大熊町の起業家支援施設「大熊インキュベーションセンター」は、全町避難で廃校になった旧小学校舎に設けられた。120社もの進出企業は、一度はゼロになった町で何をしようとしているのか。今後の展開が有望視されている起業家や、既に工場を建設している企業が目指すのは、新エネルギーによる脱原発のまちづくり、そして原発事故の町というイメージを転換するような事業だ。町の装いは、新しい人々によって一新されるのか。

□自治体政策最前線──地域からのイノベーション19
教育ICT基盤のフルクラウド化──PCを文房具のように使って学べる最先端のICT環境を整備(埼玉県鴻巣市)
埼玉県鴻巣市教委は、学校教育情報化推進の一環として、教育ICT基盤をクラウドサービスに全面移行(フルクラウド化)。高速通信網の整備と全小中学生へ1人1台のパソコン(PC)配備によって、どこからでも学べる環境を構築して学習の意欲と質を高めている。同時に、強固なセキュリティ環境下で統合型校務支援システムを導入した。教師の校務の効率化と負担軽減を図って、子どもたちと向き合える時間を増やしている。

 

●Governance Focus
□水道も、電話も、テレビも、インターネットも、防災行政無線も断絶──能登半島地震から8箇月。石川県珠洲市真浦町が直面する「壁」/葉上太郎
真浦町は石川県珠洲市の端にある集落だ。能登半島地震では家屋の倒壊が相次ぐような被害はなかったのに、発災から8箇月以上が過ぎても、水道、固定電話、テレビの地上波、インターネットが断絶したままだ。防災行政無線もほとんど聞こえない。山の崩落でトンネルが埋もれ、市内では孤立したのが原因である。だが、反対側のトンネルを抜けた輪島市ではライフラインが復旧して久しい。非常時に「市境の壁」はどうあるべきか。大きな課題を投げかける。

□森林面積の確保、都道府県の国土利用計画審議会に役割──林地開発の動向にチェックの目/河野博子
森林を伐採し、山の斜面や丘陵などに作られる太陽光発電施設は、地域住民から反対の声が上がっても、ほとんどの場合、設置されてきた。都道府県による林地開発許可は、降りないことの方がまれ。一方、人口減社会と自然生態系保全のトレンドを色濃く反映した国土利用計画(全国計画)は、森林の面積を減らさない方針を打ち出している。都道府県の国土利用計画審議会で、林地開発の動向について目を光らせる流れが出て来た。

●Governance Topics
□まちづくりと地域人材のこれからを多彩に議論──第37回全国自治体政策研究交流会議、第38回自治体学会 鹿児島・日置大会
市民・自治体職員・研究者のネットワークである自治体学会(阿部昌樹理事長)は8月23・24日の2日間、鹿児島県日置市で第38回自治体学会鹿児島・日置大会を開催した。23日には第37回全国自治体政策研究交流会議も実施。「まちづくりと地域人材のリ・デザイン」という統一テーマのもと、多彩な議論が展開され、交流を深めた。

□「対話」による業務推進事例を紹介──未来の健康医療施策を考えるクリエイティブセミナー(山形市×株式会社ホルグ)
山形市と㈱ホルグは健康に関する連携協定を締結。その取り組みの一つに“保健所職員等を対象とするセミナーの定期開催”を掲げている。第1回目となるクリエイティブセミナー(オンライン開催)では長崎県諫早市の元健康保険部長・村川美詠さんをまねき、「これからの健康医療・母子保健分野等における仕事の進め方と公務員の働き方について」というテーマで学んだ。

□人口減少社会において重要性を増す観光について議論──地方行政実務学会第5回全国大会
自治体職員経験のある研究者と現役自治体職員による「地方行政実務学会」(理事長/礒崎初仁・中央大学教授)は、8月24・25日の2日間にわたり、第5回目となる全国大会を開催した。大会テーマは「観光は地域を変えるか」。開催地である福井県内での取り組みも多く取り上げながら、対面方式で議論を深めた。

□持続可能な地域を考える議論を展開──第6回地域政策塾シンポジウム
長野県飯綱町の元町議らで組織する「地域政策塾21」(寺島渉代表)は、8月18日に地域政策塾シンポジウムを開催した。今回のテーマは、「人口減少時代〜市町村を持続可能とする政策づくり」。町内や長野県内で地域づくりに関わる人たちが登壇し、これからの地域のあり方を議論した。

 

連載

□交差点~国×地方/人羅 格 □自治・分権改革を追う/青山彰久 □新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之 □地域発!マルチスケール戦略の新展開/大杉 覚 □市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照 □“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘 □自治体法務と地域創生──政策法務型思考のススメ/出石 稔(関東学院大学地域創生実践研究所) □地域経済再生の現場から~Bizモデルの中小企業支援/繁田智雄(D‒Biz) □自治体の防災マネジメント/鍵屋 一 □市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹 □公務職場の人・間・模・様/金子雅臣 □生きづらさの中で/玉木達也 □議会局「軍師」論のススメ/清水克士 □地方議会シンカ論/中村 健 □「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭 □From the Cinema その映画から世界が見える
『ナミビアの砂漠』/綿井健陽
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『電車で怒られた!──「社会の縮図」としての鉄道マナー史』田中大介]

 

カラーグラビア

□つぶやく地図/芥川 仁
父の船で水俣の海を曳くタチウオ曳き縄漁──熊本県水俣市丸島漁港

□技の手ざわり/大西暢夫
先人の技を生涯かけて引き継ぎ、人形に命を吹き込む──【木偶細工師】人形洋・甘利洋一郎さん(徳島市)

□わがまちDiary──風景・人・暮らし
「松江の闇をアカリで照らす」市民によるおもてなし(松江市)

□本日開園中 FUN!FUN!動物園
宇部市ときわ動物園(山口県宇部市)

 

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※松江水燈路(松江市提供)

 

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