月刊 ガバナンス 2024年9月号  特集1:多死社会と自治体 特集2:よい仕事は、よい睡眠から|地方自治、法令・判例のぎょうせいオンライン
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月刊 ガバナンス 2024年9月号  特集1:多死社会と自治体 特集2:よい仕事は、よい睡眠から

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編著者名
ぎょうせい
判型
A4変型
商品形態
雑誌・電子書籍
雑誌コード
13321-09
図書コード
7135001-24-090
8179040-24-090
ISBNコード
発行年月
2024/09
販売価格
1,320 円(税込み)

内容

●特集1 多死社会と自治体

いま、日本は“多死社会”に突入している。厚生労働省が6月に発表した人口動態統計によると、2023年に国内で亡くなった人は157万5936人で、過去最多を更新。単身者世帯、高齢者世帯も増加するなど、家族や社会のあり方が変化する中で、“弔い”の姿も変わってきた。身寄りがいない場合の葬儀や埋葬手続、火葬場の混雑による火葬待ち、引き取り手のいない無縁遺骨など、自治体が対応に苦慮する課題も増えている。団塊世代が後期高齢者となり、さらに加速していく多死社会に自治体はどう向き合っていくべきか、今月は考えたい。

■老いる社会でおひとりさまとどう向き合うか

沢村香苗
株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

人が死に至れば、身体、財産、果たしていた役割など、人生を構成するものを適切に「しまう」ことが必要になるが、引き受け手がいない場合が増えている。筆者らによる調査では、備えをしておきたいと考えている人が9割を超えたにもかかわらず、具体的に依頼をしている人は1割前後であることがわかった。このギャップを埋めることが、自治体の役割の一つである。

■身寄りのない高齢者への支援と包括的な支援体制/永田 祐
日本では、人口減少と少子高齢化が進み、またしばらくの間は後期高齢者、特に85歳以上の高齢者の増加が続く。後者に着目すれば、多死社会ということになるが、一方で、日本社会は単身化が進んでおり、この点に目を向ければ、「死を弔う家族が不在の社会」ともいえるだろう。本稿では、このような社会変動の中で注目されている身寄りのない高齢者を支える仕組みについて、市町村が整備する包括的な支援体制に着目し、その中でこの問題をどのように位置づけるべきかを検討し、市町村福祉行政の課題を明らかにする。

■多死社会に向けて火葬場をどう考えるか/武田 至
日本は多死社会に向かっているが、火葬場が抱える課題は地域によって異なる。地方では人々の死が比較的近く、火葬場も身近な問題として、関心も高い。反対に都市部では、経済活動が中心となり生きている人が中心の施策が主眼となり、都市計画においても、火葬場は後回しにされてきた。財政状況の悪化や家族形態が変わってきている現在、従来の考えのままでは、継続した火葬サービスの提供も困難になってきている。死は全ての人に平等に訪れる。火葬場問題も身近な問題として考えておく必要があろう。

■〈取材リポート〉生前の意思と情報の登録で本人が望む終末を支える/神奈川県横須賀市
1万人を超える独居高齢者が暮らし、引き取り手のない遺骨が増加していた神奈川県横須賀市は、身寄りがなく、生活にゆとりがない独居高齢者を対象に葬儀等に関する葬儀社との生前契約を支援する「エンディングプラン・サポート事業」を実施。また、全市民を対象に「わたしの終活登録事業」に取り組んでいる。本人の意思を反映した終活の仕組みを構築し、安心して暮らせる地域社会をめざしている。

 

●特集2 よい仕事は、よい睡眠から

世界で最も睡眠時間が短いといわれる日本人。過度な睡眠不足は心身に不調をきたし、日常生活や仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。人事院は4月から、公務員の長時間労働を是正し、睡眠時間を含む生活時間を確保するため、終業から次の始業までに一定時間を設ける「勤務間インターバル」の努力義務を課しました。そうした背景から、今回の特集では「睡眠」をテーマに、睡眠が労働パフォーマンスに与える影響、睡眠の質改善のためのポイント、自治体による勤務間インターバルの実践例などをご紹介します。9月3日は「秋の睡眠の日」。これを機に、ご自身の睡眠について振り返ってみてはいかがでしょうか。

■働く人のための睡眠基礎講座/武田 文
■今日から実践!睡眠の質を上げるポイント/角谷リョウ
■〈取材リポート〉勤務間インターバル宣言を行い市町村・事業者にも周知/岡山県

 

キャリアサポート連載

■管理職って面白い!目標勾配効果/定野 司 ■「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ
「職場でOM」の意義と可能性①/後藤好邦
■誌上版!「お笑い行政講座」/江上 昇 ■〈公務員女子のリレーエッセイ〉あしたテンキにな~れ!/飯村恵理 ■自治体DXとガバナンス/稲継裕昭 ■自治体職員なら知っておきたい!公務員の基礎知識/高嶋直人 ■今日から実践!すぐに役立つ!「公務員による研修」のススメ/堤 直規 ■カスタマーハラスメント対策Q&A/関根健夫 ■HOLG presents 本当にすごい公務員!のココだけの話 /江澤隆輔 ■〈リレー連載〉Z世代ズム~つれづれに想うこと/加藤志歩 ■ただいま開庁中!「オンライン市役所」まるわかりガイド/錦織 弘 ■地域の“逸材”を探して/寺本英仁

 

●巻頭グラビア

自治・地域のミライ
西村博則・熊本県益城町長
熊本地震の経験を踏まえ、“災害に強いまちづくり”を進める

西村博則・熊本県益城町長(68)。町内家屋の98%が被災した2016年の熊本地震からの復興を進める。初期対応では役場も混乱し機能不全に陥ったが、失敗も含めた教訓を震災記録誌としてまとめた。「全国の自治体にはそうした面も含めて参考にしてほしい」と話す。

 

取材リポート

□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
廃校を起業家支援の学校にする【大熊町・廃炉以外の産業創出】
原発事故、続く模索54
メルトダウン事故を起こした東京電力福島第1原発。廃炉関連の作業は行われているものの、お膝元の福島県大熊町では全町避難の代償として他の産業が壊滅してしまった。暮らしを取り戻すには、新たに産業を興すしかない。避難で廃校になった旧小学校舍にインキュベーション施設を設けたところ、シェアオフィスへの登録が2年で120社にも達した。住民さえ帰らないというのに、どういうことなのか。

□自治体政策最前線──地域からのイノベーション18
草津川跡地プロジェクト──天井川の廃川跡地を活用しガーデンミュージアムを整備(滋賀県草津市)
滋賀県草津市は、放水路の整備によって廃川となった草津川の跡地を利用し公園整備を進めている。都市の価値を高め、未来へのチャンスを広げる空間としてとらえ、「ガーデンミュージアム」というコンセプトのもとで魅力的な空間づくりに取り組んでいるのが特徴だ。市が整備する5区間のうち2区間が供用を開始し、民間事業者との連携や市民主体によるイベントが開催され、賑わいと憩いの場として多くの市民に利用されている。

 

●Governance Focus
□山崩れで9人死亡、集落は孤立。地獄を見た人々が「知ってほしい」と訴える教訓──能登半島地震、石川県珠洲市仁江町/葉上太郎
能登半島地震による山の崩落で9人が亡くなり、道路がふさがれて孤立した石川県珠洲市の仁江町。新たな崩落が発生しないとも限らず、集落ごと「長期避難世帯」に指定された。いつ帰れるか分からない状況だ。「地獄を見た」という人々からは、あの日の惨状だけでなく、多くの教訓が語られる。だが、メディアは伝えない。衆院議員も来ない。災害のたびに繰り返される「またか」は、人災なのではあるまいか。

●Governance Topics
□地域創生に向けて5市町が民間企業と連携協定を締結──(一社)公民連携推進機構「公民連携モデル事業」
(一社)公民連携推進機構(高瀬亜富・代表理事)及び会員企業17社は、8月5日、同機構が進める「公民連携モデル事業」の重点支援5自治体(奈良県宇陀市、山梨県大月市、栃木県益子町、和歌山県那智勝浦町、山梨県富士川町)と包括連携協定を締結した。この協定に基づき、今後、行政DX、産業振興、ふるさと納税の推進など様々な分野で公民連携を強化することにしている。

□副首長等が集まり人的資本経営の事例を共有──自治体人的資本経営フォーラム2024
多くの自治体が職員のなり手不足に直面する現在、組織を安定的に維持し山積する地域課題を解決するために、職員一人ひとりの可能性を最大限に引き出す人的資本経営が注目されている。昨年発足した「自治体の人的資本経営の実現をめざす会」では、副首長経験者を中心としたメンバーで自治体経営に関する実践研究を行ってきた。8月7日には東京で「自治体人的資本経営フォーラム」を開催。官民を交えた多様な参加者が集い、これからの自治体経営について話し合った。

□広域連携による成果連動型健幸ポイントの成果を公表──SWC自治体飛び地連携・健幸ポイントプロジェクト
SWC(スマートウェルネスシティ)首長研究会は7月25日、自治体飛び地連携・健幸ポイントプロジェクトの成果報告会を都内で開催した。当日は同プロジェクトに参加する5市町の担当者が、それぞれの取り組み内容や成果を紹介。5市町合計で医療費・介護給付費の抑制効果が年間約17億円にのぼるなど、目標を上回る成果が出ていたことなどが報告された。

□景観まちづくりのこれからのあり方を探る──第56回『都市問題』公開講座
都市政策のあり方や社会的課題などについて議論をする第56回『都市問題』公開講座((公財)後藤・安田記念東京都市研究所主催)が7月20日に都内で開催された。2004年に景観法が制定されて今年で20年。人口減少が進む中、魅力的な景観まちづくりのあり方を考えた。

 

連載

□交差点~国×地方/人羅 格 □自治・分権改革を追う/青山彰久 □新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之 □地域発!マルチスケール戦略の新展開/大杉 覚 □市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照 □“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘 □自治体法務と地域創生──政策法務型思考のススメ/大石貴司(関東学院大学地域創生実践研究所) □地域経済再生の現場から~Bizモデルの中小企業支援/藤田敬太(ゆざわ‒Biz) □自治体の防災マネジメント/鍵屋 一 □市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹 □公務職場の人・間・模・様/金子雅臣 □生きづらさの中で/玉木達也 □議会局「軍師」論のススメ/清水克士 □地方議会シンカ論/中村 健 □「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭 □From the Cinema その映画から世界が見える
『マミー』/綿井健陽
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『AIは短歌をどう詠むか』浦川 通]

 

カラーグラビア

□つぶやく地図/芥川 仁
オクラ栽培に半世紀 水の恵み、妻への感謝──鹿児島県指宿市新西方

□技の手ざわり/大西暢夫
機織りの“要”を守り続ける心意気──【織機部品製造】筬菊商店(岐阜県羽島市)

□わがまちDiary──風景・人・暮らし
悠久の自然と歴史をたずねて歩くまち(兵庫県神河町)

 

特別企画

□妊産婦と子育てママのウェルビーイング向上のプログラムを推進
内閣府SIPで実装する「マムアップパーク(健幸スマイルスタジオ)」
□地方自治情報化推進フェア2024 □対談 親の“こころ”の安定が“こどもまんなか”社会実現の第一歩
芳賀満さん×清原慶子さん
□森林カーボンクレジットから地域課題の解決へ
地域資源を可視化・価値化する注目の環境価値創出事業

 

■DATA・BANK2024 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!

※砥峰高原のススキ(兵庫県神河町提供)

 

図書分類

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