地方分権一括法施行20年──その成果と展望(議員・議会編)
2000年4月の地方分権一括法の施行からこの4月で20年。機関委任事務を全廃し、国と地方を上下主従から対等協力の関係に位置付けた同法によって自治体議会の改革はどこまで進展したのか。議会基本条例の制定数が800を超える一方、政務活動費の不正受給や議員のなり手不足など課題も多い。施行20年を機に、その成果と課題を検証し、今後の自治体議員・議会のあり方を展望したい。
■自治法改正と議会力/廣瀬克哉
■住民自治を推進する議会基本条例の意義と課題/江藤俊昭
■災害対応とこれからの議会改革/新川達郎
■議会提案条例の到達点と展望/吉田利宏
■議員の「なり手不足」と町村議会の活性化/牛山久仁彦
■議会と議員が習得すべき「力」/土山希美枝
■地方議会における女性議員の増やし方/三浦まり
■議会事務局の現状と今後の課題/駒林良則
■「フォーラム」としての自治体議会/金井利之
サブ特集:地域を守るリスクコミュニケーション自治体では近年、毎年のように自然災害に見舞われているが、今年はさらに新型コロナウイルスという未知の感染症への対策を迫られている。こうした危機の中で重要になるのが、リスクコミュニケーションだ。自治体はリスクとどう向き合い、その情報を住民に伝えていくのか、地域や住民からの情報をどう受け止めて対応していくのか。今月はサブ特集として、自治体のリスクコミュニケーションについて、新型コロナ対策の事例を交えながら考えたい。■自治体リスクコミュニケーションの原則と課題 ──新型コロナウイルスを事例に/福田 充 ■地域の「防衛」懸け、自治体の総合力発揮を ──首長が前面に出た「コロナ」初動対応/人羅 格 〈取材リポート〉 ■「新型コロナウイルス感染症対策サイト」をオープンな手法で開発/東京都 ■独自の検査基準や徹底的な調査と情報提供で集団感染の拡大を防止/和歌山県 連載 ────────────────────────────────────── ■管理職って面白い! オーバーシュート/定野 司 ■「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ 「居場所」の意味とは?──学生から教わった定住人口増加の鍵/後藤好邦 ■誌上版!「お笑い行政講座」/江上 昇 ■〈公務員女子のリレーエッセイ〉あしたテンキにな~れ!/井上美乃里 ■AI時代の自治体人事戦略/稲継裕昭 ■働き方改革その先へ!人財を育てる“働きがい”改革/高嶋直人 ■未来志向で考える自治体職員のキャリアデザイン/堤 直規 ■そこが知りたい!クレーム対応悩み相談室/関根健夫 ■独立機動遊軍 円城寺の「先憂後楽」でいこう!/円城寺雄介 ■We are ASAGOiNG ! 地域公務員ライフ/馬袋真紀 ■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行 ■“三方よし”の職場づくり/関口昌幸 ■誰もが「自分らしく生きる」ことができる街へ/阿部のり子 ■地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会 ■もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク/プロジェクトK2 |
──────────────────────────────────────
巻頭グラビア
□シリーズ・自治の貌(特別編)(特集との連動企画)
大森 彌・東京大学名誉教授
「チーム議会」として会派の枠を越えて議論をし、議会の意思を示すべき
──────────────────────────────────────
●連載
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 細川幽斎(二) 光秀・信長との出会い
──────────────────────────────────────
取材リポート
●取材リポート
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
全国最高賞4度は「チーム福島で得た」【「福島醤油」日本一の情景(2)】
原発事故、続く模索
津波と原発事故で大ダメージを受けた福島県相馬市。東日本大震災の翌年に小さな醤油蔵で代替わりがあった。山形屋商店である。新店主は出荷量の激減に苦しみながらも、伝統的な製法に工夫を加え、めきめきと頭角を現してゆく。そして全国醤油品評会で4度も最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。震災の年に始まった県内醤油蔵の勉強会に参加し、仲間に支えられたからこその快挙だった。
□現場発!自治体の「政策開発」
官民連携で健康産業を育て市民と経済の元気を創出
──松本ヘルス・ラボ(長野県松本市)
「健康寿命延伸都市」を掲げる長野県松本市は、市民の健康づくりとヘルスケア産業の創出に向けて「松本ヘルス・ラボ」に取り組んでいる。健康・医療・福祉関連企業が、健康意識の高い市民の参加と大学・医療機関等の知見を得て、健康づくり・疾病予防等に寄与する製品やサービスを創出する試みだ。健康分野での官民連携のオープンイノベーションによって、市民の健康寿命延伸と地域経済の活性化をめざしている。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
日頃の議会活動があぶりだされる!
──コロナウイルス対策と自治体議会/江藤俊昭・山梨学院大学教授に聞く
国内で新型コロナウイルスの感染が広がった3月。自治体では新年度予算案を審議する定例会を開催しているところが多かった。コロナウイルス対策として議会では会期日程の短縮や一般質問の取り下げ・中止も相次いだ。コロナウイルス対策に自治体議会はどのように臨むべきか。「緊急提言」に加えて、江藤俊昭・山梨学院大学教授に対策のポイントなどを聞いた。
──────────────────────────────────────
●Governance Focus
□条例の域外適用──ヘイトスピーチ抑止条例を契機に(下)
域外適用の理論と課題/松下啓一
──────────────────────────────────────
連載
□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□Bizモデルの地域づくり/小出宗昭
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□生きづらさの中で/玉木達也
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『SDGs×自治体 実践ガイドブック』高木 超]
カラーグラビア
□技・匠/大西暢夫
ランプの神様は見ているよ──ハリケーンランプ職人・別所由加さん(大阪府八尾市)
□わがまちの魅どころ・魅せどころ/京都府和束町
ずっと暮らしたい 活力と交流の茶源郷
□山・海・暮・人/芥川 仁
親子を繋ぐ福島の海──福島県相馬市尾浜
□土木写真部が行く~暮らしを支える土木構造物
角島灯台~響灘を照らす海路の守護神
□人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ/ちーたん(兵庫県丹波市)
□クローズ・アップ
消える街の灯、新型コロナの影響甚大──東京・新宿の繁華街
──────────────────────────────────────
●[特別企画]
□信頼の加除式コンテンツに「スピード」と「検索性」をプラス
──「電子書棚」サービスの利活用で業務の効率化を実現
──────────────────────────────────────
■DATA・BANK2020 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
──────────────────────────────────────