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ユーモア詩でつづる学級歳時記

増田修治

ユーモア詩でつづる学級歳時記[第8回]

NEW特別支援教育・生徒指導

2020.11.04

ユーモア詩でつづる学級歳時記[第8回]

白梅学園大学教授 増田修治

『学校教育・実践ライブラリ』Vol.8 2019年12

笑顔で子どもを育てる秘訣が満載!子どものココロが見えるユーモア詩の世界 親・保護者・教師のための子ども理解ガイド』(ぎょうせい、2020年9月刊)の著者 増田修治氏が、埼玉県の小学校教諭時代から長年取り組んできた「ユーモア詩」。珠玉の75編と増田氏の的を射たアドバイスは、笑いながら子どもの思い・願い・成長が理解でき、今日からの子育て、保育、教育に生かせること請け合いです。ここでは、『学校教育・実践ライブラリ』(2019-2020年)の連載「ユーモア詩でつづる学級歳時記」をご紹介します。(編集部)

■今月の「ユーモア詩」

理科の勉強
中村 奈津美(4年)

今日の理科の勉強で、
固体・液体・気体を中心にしてやった。
先生が説明する時、
「固体から液体、
 液体から気体、
 気体から変態...って
 バカ言ってんじゃねえよ!」
と自分で言って
自分でつっこみをしていた。
「変態は先生だよー。」
と言った。
そしたら、
「俊也―。
 チンチンひっぱられたいのかー?」
と言った。
そしたら容司郎が
「そういうのを
 変態って言うんじゃないですか?」
と質問をした。
そしたら先生が、
「あっ、そうか!!」
と言った。
私は固体・液体・気体のほかに
変なものまで学んでしまった。

■「ノリツッコミ」が、子どもを救う

 いかがですか。私と子どもたちの日々のすっごく上品な会話の様子がわかってもらえたのではないでしょうか。こんな上品な会話も時にはいいのではないでしょうか。

 「気体から変態...ってバカ言ってんじゃねえよ!」と私が「ノリツッコミ」をして見せたら、子どもがツッコミを入れるという阿吽の呼吸。「そこで、そうツッコミを入れるか!」と思わず驚いてしまいました。それだけではありません。そのやり取りを見ていた奈津美が「変なものまで学んでしまった」とまとめるのですから、たいしたものです。

 子どもは、大人のことをよく見ているものです。子どもだからと、侮ってはいけません。しかも、ユーモアをさりげなく散りばめるのですから、見事というほかありません。

 こんな「ノリツッコミ」がやり取りされると、学級というのは教師にとっても子どもにとっても、居心地が良くなっていきます。

 子どもは日々、ばかばかしいことを考えているものです。それなのに、心の中の思いを話したりすると、「なに、ばかなことを考えているの!」と叱責されるのです。これでは、自分の思いを言いたくても言えなくなります。

 「ノリツッコミ」が出てくる学級には、笑いと余裕があります。また、笑いと余裕があるから、「ノリツッコミ」をするし、ばかばかしいことを平気で言い合えるのです。

■12月の学級づくり・学級経営のポイント

「子どもの思いを受け止めること」を大事にしよう!

 もう2学期も終わりですね。早いものです。師走と言われるように、教師の一番忙しい時期とも重なります。テストの丸付けをしたり、見ていない作文を読んだり、成績付けをしたりと、やることが満載です。子どものトラブルも増えますし、子ども自身も忙しくなります。

 忙しいの「忙」は、「心をなくす」と書きます。心をなくしていませんか? 子どものささいな声に耳を傾けていますか。3学期をよりよく迎えるためにも、「先生へのお願い」などを書かせるといいと思うのです。

 そうすると、「もっと遊んでほしい」とか「○○ちゃんとケンカしたけど、仲直りしたい」などと書いてきます。

 でも一番多いのは、「先生にもっと笑ってほしい」ではないでしょうか。子どもにとって、先生の笑顔は、子どもの意欲の源ですし、カンフル剤のようなものです。

 子どもの思いを受け止め、一緒にレクをしたり、「ワーワー」と笑い合ったりしてみましょう。ここに紹介したような、「ノリツッコミ」もしてみましょう。高学年の子どもには、「何、ばかばかしいことして!」なんて言われそうですが、そこでめげないことです。

 何度も繰り返しているうちに、必ず「クスッ」を笑ってくれる瞬間が来るものです。そうすると、子どもがますます愛おしくなります。そんな年度末を作っていきましょう。

 子どもへの愛情は、自然にわきでてくるものではありません。たえず、子どもへの新しい愛を創造していくことが、大切なのです。笑いのある年末を迎える努力をしてみましょうよ......ね。

 

Profile
増田修治 ますだ・しゅうじ
1980年埼玉大学教育学部卒。子育てや教育にもっとユーモアを!と提唱し、小学校でユーモア詩の実践にチャレンジ。メディアからも注目され、『徹子の部屋』にも出演。著書に『話を聞いてよ。お父さん!比べないでね、お母さん!』『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『ユーモアいっぱい!小学生の笑える話』(PHP研究所)、『子どもが伸びる!親のユーモア練習帳』(新紀元社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)他多数。

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増田修治

白梅学園大学教授

1980年埼玉大学教育学部卒。子育てや教育にもっとユーモアを!と提唱し、小学校でユーモア詩の実践にチャレンジ。メディアからも注目され、『徹子の部屋』にも出演。著書に『話を聞いてよ。お父さん!比べないでね、お母さん!』『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『ユーモアいっぱい!小学生の笑える話』(PHP研究所)、『子どもが伸びる!親のユーモア練習帳』(新紀元社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)他多数。

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