コラム イマドキの親子図鑑 File.2 がんばれ、父の日

トピック教育課題

2021.10.27

コラム イマドキの親子図鑑 File.2

博報堂生活総合研究所 主席研究員 夏山明美
イラスト 磯崎陽子

『新教育ライブラリ Premier II』Vol.2 2021年6月

がんばれ、父の日

 本稿をお読みいただく少し前、「父の日」(6/20)がありました。お父さん読者の方は、お子さんから何かプレゼントをもらいましたか。お母さん読者の方は、「母の日」(5/9)ギフトはありましたか。今回は、昨年の今頃、「父の日」が終わって間もない頃に開始した当研究所の「生活定点」調査の贈り物についてのデータを解説します。

 今回ご覧いただくのは、小中学生の親御さんに絞ったデータです。「母の日に贈り物をもらった」お母さんは53.9%、「父の日に贈り物をもらった」お父さんは42.5%。「母の日」が「父の日」を11.4ポイントも上回ります。

 では、逆に、小中学生のお父さん、お母さんは、どれぐらい親御さん(子どもたちにとってはおじいちゃん、おばあちゃん)にギフトを贈ったのでしょうか。まず、お母さんから見ていきましょう。「母の日に贈り物をした」は68.6%で、「父の日に贈り物をした」が57.5%。やはり、「母の日」が「父の日」を11.1ポイント上回ります。この「母の日」優勢は、お父さんで見るとさらに顕著で、「母の日」(55.6%)が「父の日」(38.3%)を17.3ポイントも上回っているのです。

 推察するに、「親の背中を見て子は育つ」という諺の通り、小中学生のお父さんが「父の日ギフト」を軽視したことが子どもたちからもらえない、ひとつの要因になっているのかもしれません。でも、このままではお父さんが少しお気の毒です。なんとかせねば...。

 毎年5月の「母の日」前になると、お花屋さんには切り花や鉢植えのカーネーションが並び始めます。そして、お父さんとお子さんが楽しそうにお花を選ぶ光景もよく目にします。お花業界の団体で構成される日本花き振興協議会は、昨年からのコロナ禍に考慮し、生花店での「3密」を避けるために「母の日」をひと月に分散する「母の月」を提案しています。5月が「母の月」ならば、6月を「父の月」にしてはどうでしょうか。まだ「父の日」ギフトを贈ってない方、検討してはいかがでしょう。まだもらっていない方、たまにはお子さんにおねだりしてみてはどうでしょう。

 

*博報堂生活総合研究所「生活定点」調査(最新調査)
・首都40km圏・阪神30km圏
・2020年6月24日〜7月31日(1992年から偶数年に実施)
・20〜69歳男女 2,597人(うち、小中学生の父 266人、小中学生の母 280人)
・訪問留置調査
・データ公開(出典明記により、どなたでもご活用可能)
https://seikatsusoken.jp/teiten/

 

Profile
夏山 明美 なつやま・あけみ
 1984年博報堂入社。主にマーケティング部門でお得意先企業の調査業務、各種戦略立案などを担当。2007年より現職。生活全般や消費、食生活の変化を中心に研究。共著に『生活者の平成30年史〜データでよむ価値観の変化〜』(日本経済新聞出版社)など。

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