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絶対満足できる!新しい英語授業

菅正隆

新教育課程実践講座Ⅰ 絶対満足できる!新しい英語授業[第1回]一緒に楽しむ外国語 はじめの一歩 小学校3年生の事例から

NEWトピック教育課題

2019.09.21

目次

    授業を充実させるためのポイント

    1.授業に対する心構え

     初めて英語を学ぶ子供たちにとって、外国語活動は未知のものである。場合によっては、指導する先生も初めての経験かもしれない。このような場合には、とにかく、子供たちに心理的な抵抗感を感じさせないことである。笑顔で子供たちと向き合い、明るく振る舞い、笑いも引き出しながら、先生方も子供たちと一緒に楽しむことである。間違っても、「教えなければならない」「定着させなければならない」などの使命感は漂わせないことである。まして、英会話や語彙・表現の定着のための訓練的授業はNGである。あくまでも英語に対する抵抗感をなくし、積極的にコミュニケーションを図ろうとする子供たちの育成である。そのことが素地を養うことなのである。

     

    2.挨拶とスモールトーク

     挨拶は授業のキモである。子供たちの状況を見据えて、話のスピードや声の高低を調整しながら、授業に向かう気持ちや態度をコントロールすることである。

     また、スモールトークとはティーチャーズトークともいい、担任の先生が、英語で自分のことや身の回りのことについて話し、それを子供たちに聞き取らせることである。この場合、知っている表現や語彙のみを使うのではなく、既習の単語や表現以外も使用しながら、注意深く聞かせることがポイントである。聞かせた後に、内容についての質問を日本語または英語で2~3問投げかける。「先生はどこ出身だったかな?」とか、「何が好きだと言った?」などである。例を以下に示すと、

    (例)Hello, everyone. I’m Kawano Fumika. I’m from Nagano. Do you know Nagano? It’s very cold. I like strawberries. Do you like strawberries? Thank you.

     

    3.振り返りシートの在り方

     各学校により、振り返りシートの記入方法は様々である。授業に対する評価段階を数字で示させたり(よくできました:3、まあまあできました:2、できなかった:1など)、ニコニコ顔にマークさせたりなど多岐に渡っている。しかし、これは雰囲気でチェックできるので、あまり信用できない。そこで、必ず、「授業で分かったこと(知ったこと)」「授業でできたこと(できなかったこと)」などを書かせて、振り返りながら授業内容を考えさせる場面を組み入れたい。そうすることで、授業の中身をしっかりと確認させることになる。また、文を書く練習(国語力向上に資する)にもなるので効果的である。

     

    4.評価の在り方

     外国語活動は領域であることから、評定ではなく文言表記で評価することになる。その際、できるかぎり形成的評価を心がけ、他の子供たちとの比較評価ではなく、子供自身が持ち備えているコミュニケーションにおける能力や情意面を個人内評価として示すことである。恥ずかしがらずに人前で話せるようになったら、「積極的に誰とでも話せるようになりました」など、元気の出る文言にすることである。その際、「~できる」の文末表現は段階やレベルを表し、評定の考え方に抵触することになり、避けたいものである。

     

    (参考)菅正隆編著『平成29年改訂 小学校教育課程実践講座 外国語活動・外国語』ぎょうせい、2017年_

     

    Profile
    大阪樟蔭女子大学教授
    菅 正隆
    かん・まさたか 岩手県北上市生まれ。大阪府立高校教諭、大阪府教育委員会指導主事、大阪府教育センター主任指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官並びに国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を経て現職。調査官時代には小学校外国語活動の導入、学習指導要領作成等を行う。

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    大阪樟蔭女子大学教授

    岩手県北上市生まれ。大阪府立高校教諭、大阪府教育委員会指導主事、大阪府教育センター主任指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官並びに国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を経て現職。調査官時代には小学校外国語活動の導入、学習指導要領作成等を行う。

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