学校改革の新定石
学校改革の新定石 第5回 12月決算の教育課程
トピック教育課題
2019.07.10
1月から12月(暦通り)の教育課程の作成
(1)教育活動の手順
①毎回の教育活動後に新年度案を作成する「DCAPサイクル」による直後プランの実施
②7月、前期の学校評価を行う
③夏季休業中に教科の指導計画を作成する
④10月、後期学校評価を行う
⑤11月、新年度の行事予定を作成する
⑥12月、教育計画を完成させる
⑦1月、新校務分掌で教育課程の進行
⑧クラブ・委員会の開始
(2)教育計画案文書の作成
①昨年度の直後プラン(昨年12月~今年11月)を参考に起案文書を作成する
②教育課程の実施日程は、教務から提案された年間行事予定を参考にする
③各分掌が作成した文書・資料を自分のファイルに綴じ込む
クラブ・委員会「この指とまれ」(1月スタートで3月4月も充実)
新年度になってからクラブ・委員会を発足すると、時間がかかるばかりでなく、子どもたちの希望に添えない時がある。1月から実施していれば、学年が変わってもすぐにクラブ・委員会に入れる。
高知県越知町立越知小学校では、3年前からこの12月決算を取り入れ軌道に乗っている。多忙感が消えたため、そのことが学力向上や校内研究の充実につながっている。教師や学校にゆとりが出れば、学力が伸びることが実証された好例だ。日本中の学校から3月・4月の多忙感をなくすためには、この方式は一つの有力な方法となろう。
Profile
西留安雄
にしどめ・やすお 東京都東村山市立東萩山小学校長、同大岱小学校長を経て、東京都清瀬市の清瀬富士見幼稚園長。大岱小では校長在任中に当時学力困難校といわれた同校を都内トップ校に育てた。現在、高知県・熊本県など各地の学力向上の指導に当たり、授業・校務の一体改革を唱える。主著に『学びを起こす授業改革』『どの学校でもできる! 学力向上の処方箋』など。