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絶対満足できる!新しい英語授業

菅正隆

新教育課程実践講座Ⅰ 絶対満足できる!新しい英語授業[第6回]中学校の授業を大きく変える! 訳読、文法説明だけでは指導力の無い証

NEW授業づくりと評価

2019.10.29

3.今後の授業の在り方、考え方

 今後、2500語程度の教科書を扱う際、先の主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を取り入れ、しかも、思考力・判断力・表現力を伸ばす授業を行うためにはどのような組み立てを考えたらよいのであろうか。上記の教科書を参考に考えてみる。

(1)授業のために事前に準備しておくもの

①ローマ人の日常生活を記入する円グラフを用意する(生徒が書き入れる円グラフ)。

②ローマ人の生活が分かる写真、映像を用意する。

 英文だけでは別世界の話と感じ、真剣に取り組もうとしない生徒も出てくると思われる。そこで、生徒の生活に密着したもので、ローマ時代に使用されていたものを写真や映像で用意する。インターネットなどにはたくさん載せられている。例えば、以下のようなものである。

・衣服、装飾品等(ネックレス、指輪、ピアス等)

・食べ物、食器類等(パン等、皿、カップ等)

・住宅、風呂、トイレ(水洗トイレ、サウナ等)

 

(2)本時の学習指導案(50分)

(3)授業解説

①主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を取り入れた授業

 ペアで読み聞かせを行ったり、内容についてペアやグループで確認し合ったりする。また、小学校の外国語活動や外国語でも取り入れられている一日の生活のパターンについて、中学生になっても聞き合ってまとめたり、発表したりする。

 

②思考力・判断力・表現力を伸ばす授業

 教師が話すサマリーを聞いて確認したり、教科書を閉じさせて、本文の英文を聞きながら、内容を理解して円グラフを完成していくことで、考えながらローマ人の一日の生活に思いを馳せていく。また、自分たちとローマ人との生活を比較しながら、文化的な生活を送っているのはどちらかなど、他の生徒と意見を交わしたり、戦わせたりすることで、教科書の内容を深めていくことができる。

 

③英語で行うことを基本とする授業

 教科書本文のサマリーを生徒に聞かせたり、内容について英語で説明したりと、生徒が授業内に英語を聞く機会を多く設定することは重要なことである。もちろん、クラスルーム・イングリッシュやスモールトーク(ティーチャーズ・トーク)は当然であるが、これらだけでは、生徒の聞く力を伸ばすには心もとなく、教科書の内容に踏み込んで、英語で生徒に聞かせながら理解させるように、普段から指導を継続しておくべきである。

 

④語彙指導に必要なこと

 新出単語が多く、それぞれの意味や読み方を定着させるには、あまりにも授業時間数が足りない。これまでの1200語程度の新出単語でさえ、定着させることは困難であったことは、教師自身が身をもって分かっていることである。

 では、2500語もの語彙をどのように指導すべきか。まず、考えたいことは、子供たちの思考回路を変えることである。子供は知らない単語が一つでも出てくると、文全体が理解できないと思いがちである。そこで、知らない単語が文中にいくつか出てきたとしても驚かないように育てることである。英語は当然知らないことばかりである。それが学習を進めるうちに、知っている単語や表現が増え、全体を徐々に分かるようになってくるものである。ところどころに知らない単語が出てきたら、「こんな意味かな」「こんなことを言っているんだろうな」と予想させながら読み進めさせることである。我々も、知らない単語は山ほどある。日本語でさえ、分からない漢字は偏と旁を参考に意味を予想しながら読み進めている。この習慣を中学校1年生のころから訓練させることである。逆に言えば、知らない単語に固執せず、大枠を捉えるような気持ちで、英語と向き合わせる指導が必要なのである。

[参考]
菅正隆・松下信之著『アクティブ・ラーニングを位置づけた高校英語の授業プラン』明治図書出版、2017年

 

Profile
大阪樟蔭女子大学教授
菅 正隆
かん・まさたか 岩手県北上市生まれ。大阪府立高校教諭、大阪府教育委員会指導主事、大阪府教育センター主任指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官並びに国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を経て現職。調査官時代には小学校外国語活動の導入、学習指導要領作成等を行う。

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