【緊急発刊】小・中学生向けの啓発小冊子『感染症とわたしたち』(ぎょうせい)2020年9月下旬より販売開始
トピック教育課題
2020.09.01
はじめに
ぎょうせいは2020年9月下旬、新型コロナウイルス感染症予防の啓発・指導に向けたご要望に応え、「感染症とともに生きる力」育成のための小冊子『感染症とわたしたち』(ぎょうせい・2020年9月)を刊行いたします。本書は主に小学校高学年~中学生を対象とした、児童生徒向けの啓発冊子で、イラストを用いてわかりやすく解説しています。
■本書のポイント■
本書を通じて学べるポイントは、次の3つです。
(1)新型コロナウイルスをはじめとした感染症の基礎知識
(2)予防のための心がまえ・生活習慣
(3)感染症への正しい向き合い方、健康な社会づくり
ぜひ本書を採択いただき、児童生徒のみなさんがこれからの新しい日常に向けて正しい知識を身に付け、理解を深めるきっかけ作りにご活用いただければと思います。以下、本書のポイントとなる箇所から掲載いたしますので、併せてご高覧いただけますと幸甚です。(編集部)
目次(抄)
■知る■ 感染症ってなに?……正しい知識をもとう!
どんな感染症がある?
感染症って、どんな病気?
感染・発症のしくみ
■予防する■ 感染症を防ぐ!広げない!一人ひとりにできること……毎日の生活で実践しよう!
感染症予防の基本は?
感染源をなくす:消毒・殺菌
感染経路を絶つ:手洗い/マスクの着用/給食や食事のときのマナー/室内の換気/トイレのマナー
抵抗力を高める:抵抗力を高める毎日のすごし方
■正しく向き合う■ 感染症に向き合う社会づくり……みんなでよい雰囲気・よい地域社会をつくろう!
感染症をめぐる嫌がらせや差別に対して、何ができる?
わたしたちの健康を支えてくれている人々に感謝の気持ちをもとう!
(本稿は2020年9月上旬の制作段階のものです)
メッセージ(小冊子から)
(小冊子2ページより抜粋)
感染症を知り、予防し、正しく向き合う。「わたしたち」一人ひとりがその主人公です!
2019年の終わりごろから始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりは、わたしたちの生活にとても大きな影響をもたらしました。
感染症とはどんな病気でしょうか。
予防のために心がけたいことは何でしょうか。
健康な社会づくりに向けてどう行動すればよいでしょうか。
この冊子は、「わたしたち」一人ひとりが自分自身・仲間・家族・地域の問題として感染症と向き合い、考え、取り組んでいくためのガイドです。
「新型」ってどういうこと?(小冊子から)
(小冊子8ページより抜粋)
●新しい感染症の発生
コロナウイルスの種類としては、日常的に感染するかぜの原因であるコロナウイルスのほか、SARS(サーズ)ウイルス、MERS(マーズ)ウイルスなどがこれまで知られていました。しかし、2019年終わりごろから世界中に広がった肺炎の原因は、今までとは異なるコロナウイルスです。この新しいコロナウイルスを病原体とする感染症に対して「新型コロナウイルス感染症」(COVID〔コーヴィッド〕-19)と名づけられました。
――SARSは2002年~2003年、MERSは2012年に発生した感染症ですので、これらも歴史の浅い、新しい感染症と言えます。
新しい感染症は、予防法や治療法の研究が十分に進んでいないうちに流行が拡大し、社会に大きな影響を与えます。新しい感染症が現われる理由としては「自然開発などの影響で人間が未知の病原体に接する機会が増えたから」「病原体自身が新しいタイプの病原体に変化したから」など、さまざまなことが考えられています。これまでに新しい感染症がいくつも現われてきたように、これから先にも、また別の新しい感染症が現われる可能性があるのです。
●人類の歴史は、感染症とのたたかいの歴史
紀元前の昔から現代にいたるまで人類はさまざまな感染症とたたかいながら科学や技術を発展させ、その治療や予防対策などに取り組んできました。
――こうした歴史をふりかえってみると、これからわたしたちがさまざまな感染症のリスクの中で生活していくにあたってのヒントが見つかるかもしれませんね。
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■参考1■「根絶に成功した天然痘(てんねんとう)」
天然痘は、感染力がとても強く、死にいたる病気として古くから世界中でおそれられてきました。そうしたなかで、イギリスの医師ジェンナーによる種痘(しゅとう)(予防接種法)の発見や、世界的な対策の取り組みが実を結び、1977年以降は新しい感染者が見られなくなり、WHO(世界保健機関)は「天然痘根絶宣言」(1980年)を出しました。これは、人類史上初めて根絶に成功した感染症の例と言われています。
■参考2■ 結核は決して過去の感染症ではない!
結核は、エジプトのミイラから感染したあとが見つかるなど、人類の歴史とともにある古い感染症です。日本では、明治時代から長い間「国民病」と呼ばれるほど結核が大きく広がり、おそれられてきましたが、国をあげての取り組みにより1950年ごろから減少傾向が続いて、激減しました。しかし、1990年代になって感染の増加が見られたことから、国は「結核は過去の病気ではありません」とする結核緊急宣言(1999年)を出し、国民に注意を呼びかけています。
本商品は、50部以上のご注文のみ承っております。
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監修者Profile
野津有司(のづ・ゆうじ)
筑波大学名誉教授・博士(医学)
*『学校保健ハンドブック 〈第7次改訂〉』(ぎょうせい、平成31年4月刊)の編集代表。
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(本稿は2020年9月上旬の制作段階のものです)