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[特集] practice 6 推進の鍵は校長の積極的なリーダーシップ!

NEWトピック教育課題

2020.04.09

[特集]新課程の学校経営計画はこうつくる practice 6

『学校教育・実践ライブラリ』Vol.10 2020年2月

●外国語・外国語活動
推進の鍵は校長の積極的なリーダーシップ!

福岡市立石丸小学校長
長門直子

小学校外国語教育の推進は「言語活動を通して」

 次年度の新学習指導要領全面実施によって、高学年の外国語活動は教科としての外国語科に、また3・4年生の外国語活動は、高学年外国語科への動機付けとなる外国語活動という新たな枠組みの中で始まる。目標も小・中・高を貫いた共通の視点が盛り込まれる内容になっている。しかしながら、言語や文化に対する理解を深め、児童が実際に外国語である英語を使って自分の考えや気持ちを伝えようとする意欲を高めたり、実際にできるようにしたりするという根本的なところは、外国語活動が始まった当初から変わっていないことを、私たち指導者は理解しておかなくてはならない。改めて小学校外国語教育の目標を全職員で共通理解する場を設定したい。

 今回小・中・高のどの目標の中にも「言語活動を通して」という文言がある。外国語の学習なので当然であろうと思われるが、改めて記述された意味を考え、毎時間の学習に言語活動を必ず設定した学習が展開される必要がある。したがって、指導者である教員がそのことを共通理解しておかなくてはならない。

 校長としてまず、全面実施前の移行期間である今の時期に、自校の外国語教育の指導の実際を自分の目で見て確かめることが大事である。小学校外国語教育を推進するための課題を洗い出し、次年度の取組に備えたい。小学校外国語教育の推進は、先を見据えた校長の積極的なリーダーシップにかかっているといえる。

学校全体で取り組む校内体制づくり

 外国語・外国語活動を円滑に進めていくためには、まず全職員で取り組む体制を整えることである。今は指導していない低学年の担任、あるいは専科教員であっても次年度は指導することもある。外国語専科教員が配置されている学校では、学級担任は全く外国語活動の指導をしていないという現状もある。また、その専科教員についても次年度加配されるかどうかは不透明である。今、どのように外国語活動の学習が進められているのか、どのような教材を使って指導しているのか全職員で共有する場が必要である。例えば、今後の小学校外国語教育の進め方についての理論を学んだり、公開授業研修会を設定して指導の実際を共通理解したり、分担して教材や教具を整えたり、教室や外国語ルーム等の環境物を一緒に作成したりすることもよい。全職員による共通理解を図る研修を計画的に設定することをお薦めしたい。

 また、授業づくりを話し合う学年研修会の時間の確保が必須である。取れるときにではなく、放課後に次時の指導案を検討したり、電子教材を一緒に見ながら操作したりする打ち合わせの時間を学年任せにせず学校全体で設定することが大事である。さらに、ALTとの打ち合わせ担当も学年で輪番にし、1年間同じ教員がするのではなく、一人に偏らない学年体制を整えることも大事である。そのための放課後の時間設定を1週間という枠の中で考えるとよい。放課後の時間を如何に有効に活用できるかが学年研修の時間の有効活用に繋がる。会議等を精選したり、校務分掌を機能化したりして時間を捻出することが大切である(本校では、会議を月曜日に設定し、学年主任に火曜日から金曜日までの放課後の時間の使い方を計画・運営させている)。

 ALTは各自治体から配置されている時間をフルに活用することが大切である。次年度からは評価も分担してするようになるので、打ち合わせの時間を確実に取れるようにする必要がある。ALTの活用としては、教材教具を作成したり、ワークシート等を印刷したりする仕事も分担してもらう。休み時間には「〇〇先生とのトークタイム」と銘打ってSmall Talkをする時間を設定したり、給食を一緒に食べたり、掃除を一緒にしたりして、児童の英語を用いたやり取りする力を向上させることも可能である。また、教員の英語力を高めるための研修やクラスルームイングリッシュを活用するビデオ録画等、活用方法は種々あり検討したい。

OJT研修と全体研修の組み合わせによる教職員の指導力向上

 外国語・外国語活動の指導力の向上を図るためには、個々の教職員への指導と全体的な指導を組み合わせた研修を計画的に設定することが必要である。

 個々の指導についてはOJT研修が最適である。指導のよさと課題を見取り、その日のうちにそれを本人に伝えることが有効である。授業の度に課題解決を図りながら行う授業改善の取組が個々の指導力の向上に繋がるのである。全体的な指導については、計画的に研修会を設定したり、外部講師を招聘した公開授業による研修会で指導の在り方を共通理解したり、指導助言者に自校の取組を診断してもらったりして自校の課題を明らかすることが必要である。

 また、授業イメージをもてずに苦労している教職員も多く、他校の公開授業研修会や発表会に積極的に参加し、外国語・外国語活動の授業イメージをもてるようにしたり、他校の取組のよさを自分たちの指導に効果的に取り入れたりして指導力の向上を図っていくことも大切である。

児童の学びの継続が図られる小中連携の取組を

 小学校・中学校・高等学校と貫かれた視点が盛り込まれた外国語教育にあって、小・中の連携は言うまでもない。児童がよりよい学びを蓄積していけるよう、小中共に互いの授業を見合うことに始まり、小学校は中学校の外国語科の学習を常に念頭に置きながら、また中学校は小学校での学びを生かした授業を展開していく必要がある。そのためには校種を越えた連携を管理職自身が意識し積極的に推進していくことが大事である。

 新学習指導要領全面実施下での外国語・外国語活動の効果的な推進は、自校の実態の上に立つことが大事であることは言うまでもない。上述した内容を学校経営計画作成において参考にして頂けたら幸いである。

 

●KEYWORD
校長の積極的なリーダーシップ 言語活動を通して学校全体で取り組む体制づくり 学年研修会の充実 OJT研修 小中連携の取組

 

Profile
長門直子 ながと・なおこ
平成17・18年度福岡市教育センター小学校英語教育長期研修員。平成26年度より現職。平成27年度より福岡市小学校外国語活動研究委員会委員長。

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