ぎょうせい「学びのある」学校づくりへの羅針盤 スクールリーダーのための実務情報サイト

ONE THEME FORUM ワンテーマ・フォーラム 外国語(活動)―うまみと泣きどころ 教育の現状と外国語教育のこれから 小中学校を俯瞰して

NEWトピック教育課題

2019.11.08

目次

    ONE THEME FORUM
    ワンテーマ・フォーラム
    外国語(活動)―うまみと泣きどころ

    教育の現状と外国語教育のこれから 小中学校を俯瞰して

    大阪樟蔭女子大学教授 菅 正隆

    『学校教育・実践ライブラリ』Vol.4 2019年8月

     英語教育を論ずる前に、全国を見渡すと、日本の教育全体がゆがみ始め、取り返しのつかない状態にさしかかっているように感じる。

     例えば、教員希望者が激減し、教員採用試験の競争率が1倍強の都道府県も存在する。「名前を書いたら教師になれる」と揶揄する声も聞こえる。これが、教員の質の低下を招き、ひいては教育力の低下、そして、それが様々な社会不安につながる。これは、マスコミ等による教育現場に対する過大なるブラック化報道によるものでもある。

     また、世の中「働き方改革」の御旗の元、ルールだけが学校に押しつけられ、先生方はその狭間で以前と変わらない仕事をこなしている。根本的に仕事をスクラップしないと、働き方改革にはならない。大阪府南部のT市では、働き方改革の要員として配置された外国語専科教員に対して、教育委員会の指導主事が「担任には何もさせないで、教員のレベルアップを図ってほしい。そして、市の英語教育を盛り上げてレベルアップさせてほしい」と言った。この言葉は絶望的である。これは教育委員会の仕事であり、矛盾きわまりない。先ほど述べたとおり、教員の質の低下以上に、指導主事の能力も地に落ちた感がある。

     しかし、そう言ってばかりではいけない。子供たちが目の前にいる。その子供たちにいかに外国語教育を通して、生きる力を育てていくかである。

     小学校に外国語活動が導入されて、多忙感や嫌悪感を抱いている教員は多い。これで効果が無いとなれば、導入を推し進めた私の責任でもある。しかし、ものは考えようである。私の経験から、授業を変えることが真の働き方改革につながる。学年ごとに見ていこう。

    〇小学校中学年「“Let’s Try!”使用」

    ・テキスト全ての単元を教えることを止める。子供たちが興味・関心のある単元や教員が教えやすい単元に絞り、その中で、楽しく英語に触れたり、音声に慣れ親しんだり、人前でも恥ずかしがらずに英語を話す子供たちを育てるために手作りの教材を使う。

    〇小学校高学年「教科書使用」

    ・来年度から使用される教科書は、“We Can!”よりも良くできているが、余分な内容も多い。まずは、余分な内容やつまらない活動を切り落として、スリム化を図る。年間70時間では無駄な内容が多すぎる。それを減らしたカリキュラムを作成する。

    〇中学校「教科書使用」

    ・中学校で再来年度から使用される教科書は難度が高く、つまずく生徒が多くなる。それを減らすためには、小学校で培われたアウトプット主体の授業に転換することである。「話す」「書く」を入学当初から躾けると後々指導が楽になる。また、アクティブ・ラーニングを活用した授業に転換できると、授業も楽しく楽になる。

    この記事をシェアする

    特集:働き方で学校を変える~やりがいをつくる職場づくり~

    お役立ち

    学校教育・実践ライブラリVol.4

    2019/08 発売

    すぐに役立つコンテンツが満載!

    ライブラリ・シリーズの次回配本など
    いち早く情報をキャッチ!

    無料のメルマガ会員募集中

    関連記事

    すぐに役立つコンテンツが満載!

    ライブラリ・シリーズの次回配本など
    いち早く情報をキャッチ!

    無料のメルマガ会員募集中

    注目のキーワード