教育Insight

渡辺敦司

教育Insight 技術革新と高校改革で教育再生実行会議が11次提言

トピック教育課題

2019.09.15

普通科に4類型を例示

 二つ目のテーマ「新時代に対応した高等学校改革」では、文部科学省と厚生労働省が実施する「21世紀出生児縦断調査」で2001年に生まれた子供が高校1年生になって、中学校時代より学校生活の満足度や学校外での勉強時間が低下していることを指摘。これからの高校では、Society5.0を生き抜くための力として、①文章や情報を正確に読み解き、対話する力、②科学的に思考・吟味し活用する力、③価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力等―や能動的に学ぶ姿勢を共通に身に付けさせるとともに、世界をけん引する研究者や幅広い分野で新しい価値を提供できる人材となるための力を育むことが求められるとした。

 中でも普通科に関して「一斉的・画一的な学びは生徒の学習意欲にも悪影響を及ぼす」と強調。国が示す類型の例として▽予測不可能な社会を生き抜くため自らのキャリアをデザインする力の育成を重視するもの▽グローバルに活躍するリーダーや国内外の課題の解決に向け対応できるリーダーとしての素養の育成を重視するもの▽サイエンスやテクノロジーの分野等において飛躍知を発見するイノベーター等としての素養の育成を重視するもの▽地域課題の解決等を通じて体験と実践を伴った探究的な学びを重視するもの―の四つを挙げ、選択・実施状況の把握に努めるとした。

 また、Society5.0をたくましく生きるためには文系・理系のどちらにも偏ることなくバランスよく資質・能力を身に付けていくことが重要であり、大学入学者選抜等を過度に重視したコース開設は「望ましい在り方とは言い難い」と批判した。

 教育内容面では、学習指導要領や解説の一部改訂の他、「多様な実態に応じた教育課程編成を可能とする観点から、標準的な授業時間の在り方を含む教育課程の在り方について、中央教育審議会の検討を踏まえ、見直す」としている。さらに、教科ごとにまとまりが強い高校でも全校的な教育課題に対応するよう「校内研修担当リーダー」を置くことも提案した。

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教育ジャーナリスト

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