特集:長期的な復興支援と自治体
2011年3月11日に発生した東日本大震災から、今年3月で丸8年が経過する。これまで長期にわたって復旧・復興が進められてきたが、被災地や被災した人々の生活・暮らしが「創造的復興」を遂げるには、まだまだ途半ばだろう。発災直後からの「集中復興期間」に続く「復興・創生期間」も残り2年となる中で、その先も含めて長期的な復興支援をどう進めていくべきなのか、そして自治体の役割は何か、考えてみたい。
■人口減少社会における地域の創造的復興とは
/澤田雅浩 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授
■長期的な復興支援と自治体間連携
/鍵屋 一
■農山漁村の長期的な暮らし復興の進め方
──中越地震からの農山村復興の教訓
/稲垣文彦
■自治体復興計画の見直し、改定をどのように進めるか
/増田 聡
■自治体は復興にどう取り組めるか
/窪田亜矢
■仮設住宅から災害公宮住宅への移行にあたっての課題
──陸前高田市での戸別聞き取り調査から
/倉阪秀史
■半官半民のコーディネーター「釜援隊」の果たす役割
/手塚さや香+佐野利恵
■在宅被災者の住宅再建 深刻な実情と一筋の光
/岡田広行
スキルアップ特集:ベテラン職員の役割とモチベーション
「定年まであと〇年。現役としての仕事もほぼ先が見えてきたし、このまま大過なく過ごせれば……」。こんな気持ちで日々を送るベテラン職員が少なからずいるのではないでしょうか。また、最近は再任用職員が増えていますが、これまでとの違いに戸惑いを感じている人も多いようです。しかし、長年の経験を活かしたベテランならではの価値を発揮すれば、組織に大きく貢献できるはず。ベテラン職員が生き生きと働くことは、後輩にもよい影響をもたらし、職場の活性化にもつながります。
■ベテラン職員の活用&モチベーション維持のポイント
/高嶋直人
■年上部下のやる気を引き出す管理職のマネジメント
/濱田秀彦
■再任用職員の心構えと求められる役割
/手島伸夫
スキルアップ連載
■管理職って面白い!
/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション
/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座
/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺
/関根健夫
■一歩前へ!30代に贈る“錆びない”自分磨き
/堤 直規
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●Governance Focus
□ブルーシートを張り替え続けるボランティア──鳥取県中部地震から2年4箇月
/葉上太郎
●Governance Topics
□地域ケア会議から「地域共生社会の実現」へ
/第23回厚生政策セミナー「医療・介護の未来を担う地域ケア会議」
□議員と職員が「チーム議会」で住民福祉の向上を
/LM推進連盟・地方議会研修会in北上市
□官民連携と住民主役を掲げSDGs日本モデルを宣言
/神奈川県が「SDGs全国フォーラム」を開催
取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/野田武則 岩手県釜石市長
「スクラムかまいし」で、「三陸の拠点都市」を目指す。
東日本大震災では最大9.3mの大津波に襲われ、1000人以上の死者・行方不明者が発生した岩手県釜石市。あれから8年。野田武則市長は、釜石の人々が培ってきた「不撓不屈」の精神が復興の支えになったと話す。
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
酒米を支えにした米農家【福島酒6年連続日本一の秘密(5)】
原発事故、続く苦悩
米農家は原発事故で最も痛めつけられた業種の一つだろう。放射性物質の基準超過だけでなく、風評被害にもさらされた。風評は今もまだ払拭されたとは言い切れない。福島市にはそうして追い詰められた時に、酒蔵から酒造用の米の生産を依頼され、これを励みにして苦境から脱した農家もいた。
□現場発!自治体の「政策開発」
市民の投票に基づき市民活動団体の事業を支援
──市民が選ぶ市民活動支援制度(愛知県一宮市)
愛知県一宮市は、市民活動の活性化に向け、「市民が選ぶ市民活動支援制度」を実施している。個人市民税額1%を財源に、市民の投票結果に基づいて市民活動団体に支援金を交付する制度だ。地域課題解決のための市民活動団体の事業を最も身近に判断できる市民の意思を直接反映させることで、市民活動への市民の関心と参加意欲を高めるのがねらい。市民活動団体の事業を後押しし、活力あるまちづくりを推進している。
□人口減少・地域再生に挑む/小田切徳美
ふるさと納税と地域づくり
──「関係人口論的運用」のすすめ
過熱するふるさと納税の返礼品競争。国による規制を受けざるを得なくなったことは、地方分権の視点から見れば、重大な問題である。それを呼び込んだ自治体側からも真剣な総括が求められる。ふるさと納税の原点を踏まえ、「関係人口論的運用」の広がりを期待したい。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
「市民の納得」をベースに、議員報酬増の実現へ
──岩手県北上市議会
岩手県北上市議会は特別委員会を設けて「議員報酬・定数のあり方」について検討。データに基づく活動量の増加などから現行よりも月額5万円増とする方向性をまとめ、市の特別職報酬等審議会も増額を承認した。検討に当たっては、市民との意見交換を重ね、「市民の納得」にこだわったのが特徴。議員報酬の増額については参加した市民の概ね75%から支持を得た。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 毎月勤労統計の不正問題
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
副業制度から考えるパラレルキャリアの必要性
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 秋元喬知(二) 自分だけ得意にならない
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□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□「立法分権」の戦略/礒崎初仁
□AI・地域・幸福──自治体公共政策の新展開
/広井良典+京都大学こころの未来研究センター+日立京大ラボ・北大ラボ
□いのち支える人々──自殺対策の現場から/玉木達也
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『なぜ日本の会社は生産性が低いのか?』熊野英生]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[川北秀人・IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者]
「選べる協働」から「住民自治を拡充する」総働へ
94年にIIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]を立ち上げ、NPOのマネジメント支援などに取り組んできた川北秀人さん。市民と自治体との協働に関する調査を実施するなど、協働の基盤づくりを進めてきたが、近年では「小規模多機能自治」を提唱し、協働から「総働」への必要性を呼び掛けている。川北さんに、こうした現場での実践やこれからの方向性などを聞いた。
□山間海間/芥川 仁
“おとぎの国”の夫婦漁──滋賀県近江八幡市沖島町
□手業手技/大西暢夫
大木から暮らしに欠かせない樟脳を抽出──内野樟脳(福岡県みやま市)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
“生きた証”を心に刻む
□クローズ・アップ
犠牲者ゼロの「ふく」を分かち合いたい
──西日本豪雨、岡山県総社市下原の女性達がお守りづくり
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■DATA・BANK2019 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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●[特別企画]
□“こだわりの”広報紙を10言語に 自動翻訳・読み上げサービスも展開
──アプリならではの多彩な情報発信スタイルで読者が拡大
□官民連携で“新しい働き方”を創出し、ひととまちに元気を生み出す
──岡山県奈義町+地域再生推進法人(一社)ナギカラ
□「関係人口」創出へセミナーを開催
──多所属ライフを支援する「YOITOKO」が拓くしなやかな参画社会への扉
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*「もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク」
「人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ」は休みます。